レンタルで実現する、新たな時代の家族像
平さんはこの映画の脚本を読んで、「日本とアメリカの両方を知る人にしか書けない脚本」だと共感しオーディションに応募した。
「家族の“お涙ちょうだい”的な事情だけではなくて、アメリカ人に特有のちょっとドライな感じというか。感情で物語を押し進めるだけではなく、俯瞰した目線で見て、ストーリーで引っ張っていくところに説得力を感じました。また、登場人物たちに、社会のはみ出し者が多いのにも魅力を感じました」

俳優の演技と社会での役割、物語に複層する「演じる」こと
「主役のフィリップ(ブレンダン・フレイザー)も落ち目の俳優で、ミッドライフクライシスに陥っているし、僕が演じた多田もそう。監督のHIKARIさんいわく“カメレオンみたいな男”です。
経営者でもあり俳優もしていて、人生うまくやっているように見えて、実は自分自身と向き合えていない。実は多田には、さらに一歩深いストーリーがあったんですよ。泣く泣くカットされてしまいましたが(笑)。

そんな感じで、ほかの人にもそれぞれ人生がある。物語が進むにつれて、だんだんと役を演じることと現実の境が曖昧になっていくのが、この物語の面白いところです」
人々が社会の中で嫌が応にも背負ってしまう職業や属性という「役割」と、俳優として演じる「役」。どちらが本当の自分なのか、そして、演じる(噓をつく)ことは本当に悪いことなのかを考えさせられた。
家族観が問い直されている現在、さらに家族のイメージをアップデートできる作品だ。「家族って、3つの“ち(地・血・知)”って言われていますよね?映画を観終わった後は、その3つを超えた新しいつながりについて考えたい。そんな映画だと思います」