私が好きな冒険の本と映像。ゲイライター・サムソン高橋

五感を解き放つ大自然へ、たった一人で孤独と向き合う旅へ、世界の裏側にあるリアルを求めて……。人はなぜ、冒険に惹かれるのか。その答えを求めて、冒険好きのライター・サムソン高橋さんに、一番好きな冒険作品を教えてもらいました。観るだけで、読むだけで、心沸き立つ作品。あなたの常識を覆してくれる冒険作品がここに!

illustration: Ryo Ishibashi / text: Saki Miyahara

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ときめきと絶景を求める異国への貧乏旅

ほぼ無職なのに、安い航空券を見つけては旅に出る私。異国のハッテン場を訪ねたり、旅費を抑えるため南の島の国立公園でテントを張ったり。お金がなくてもなんとかやりくりをして、海外でのロマンスや、南の島の美しい海を求めています。

私の南の島への憧れは、大河ドラマ『黄金の日日』で決定づけられました。戦いあり、ロマンスありの冒険活劇。画面に映るフィリピンの夕日は、今見ても「ここではないどこかへ行きたい」と思わされます。

映画『大河ドラマ「黄金の日日」』
『大河ドラマ「黄金の日日」』
1978年放送。戦国時代にフィリピンとの交易を開いた商人の物語。脚本:市川森一、長坂秀佳/出演:六代目市川染五郎ほか/NHK/DVD-BOX全2巻各22,000円、NHKオンデマンドで配信中。写真提供:NHK

『チェーン・スモーキング』を挙げたけれど、実は最初、私は“アンチ沢木”でした。『深夜特急』に影響されて旅に出る人たちを、少しバカにしていたくらい。でも、ある時タイの安宿にあったこの本を読んで、ようやく絶賛される理由がわかりました。旅の途中で読むと、旅情をかき立てられなんとも言えず沁(し)みるのよね……。それ以来、日本で買っては南の島の安宿に寄付しています。

『チェーン・スモーキング』著:沢木耕太郎
『チェーン・スモーキング』
バックパッカーのバイブルともいわれる『深夜特急』を書いた著者によるエッセイ集。古書店やタクシーの車内など日常で起きた出来事でも冒険小説のように感じられる。著:沢木耕太郎/新潮文庫/649円。

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