私が好きな冒険の本と映像。漫画家・香山哲

五感を解き放つ大自然へ、たった一人で孤独と向き合う旅へ、世界の裏側にあるリアルを求めて……。人はなぜ、冒険に惹かれるのか。その答えを求めて、冒険好きの漫画家・香山哲さんに、一番好きな冒険作品を教えてもらいました。観るだけで、読むだけで、心沸き立つ作品。この夏、あなたの常識を覆してくれる冒険作品がここに!

illustration: Ryo Ishibashi / text: Saki Miyahara / text & edit: Emi Fukushima

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人生を前に進めるための「冒険」という選択

旅が外の世界に興味を持つことで始まるとしたら、冒険は自分の内側を探るためにするものなのかもしれません。僕がドイツに移住した時も「この段階を踏まなければ次のステップには進めない」という冒険に出るような気持ちでした。

映画『ダージリン急行』の3兄弟や、『お嬢さん放浪記』の著者・犬養道子さんにも、時代や状況は違えど、どこか同じような思いがあったように感じます。金銭的には全く苦労していない3兄弟ですが、それぞれがどこかに傷を抱えていて、旅の道中に自分の無力さを実感します。

映画『ダージリン急行』
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『お嬢さん放浪記』著:犬養道子
『お嬢さん放浪記』
元首相・犬養毅の孫にあたる著者が、1948年にアメリカ・ボストンへ留学。病気の療養や起業を経てヨーロッパにわたり、各地を巡る。57年に帰国するまでの体験を綴ったエッセイ。著:犬養道子/角川文庫/924円。

犬養道子さんも名家の出身ですが、親のお金には一切頼らずに旅に出ます。どんなに恵まれた環境にあるように見えても、それぞれに人生の課題があるんだと感じました。そして冒険は、支えてくれる人がいるから成り立つと実感できる体験です。その体験があるから、また自分の人生に向き合えるのでしょう。

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