縁日を彩った牛玩具の名作
三重県津市にある津観音の縁日で、かつて参拝客に親しまれていた郷土玩具「俵牛」。

白斑のある黒牛が丸々と太り、背に3つの俵を載せたその愛らしい姿は、昭和初期まで津の町の風物詩でした。しかし、作り手が途絶え、俵牛は昭和初期に廃絶。長らく文献の中でしか知ることのできない幻の土人形となっていました。
童画家であり戦前の郷土玩具蒐集(しゅうしゅう)の第一人者であった武井武雄は著書の中で「就中俵牛は希に見る傑作で、土玩俵牛中之れに及ぶものが無い」と、評しています。
今回紹介する俵牛は、そうした記録や現存資料を手がかりに失われた姿を現代に蘇らせたもの。元は型抜きによる土人形でしたが、復元では一体ずつ手びねりで成形し、焼成後に岩絵具で彩色されています。
現在、まんろく工房・千葉孝嗣氏の手によって丁寧に作り続けられています。

津観音の俵牛。3,960円(旅猫雑貨店 TEL:03-6907-7715)