写真展『Threads of Beauty 1995‐2025 ― 時をまとい、風をまとう。』高木由利子が30年にわたって撮り歩いた「服と人間の関係の原点」

写真展『Threads of Beauty 1995‐2025 ― 時をまとい、風をまとう。』高木由利子が30年にわたって撮り歩いた「服と人間の関係の原点」

「ファッションとは何か」。その壮大な問いを見つめ直す写真家・高木由利子の展覧会が、2026年3月29日(日)まで開催中だ。

会場である〈Bunkamura ザ・ミュージアム〉は新施設への拡大移転を控えており、現展示室における最後の展覧会となる。1989年の開館より多くの名画に彩られてきた展示室に並ぶのは、「服と人の関係の原点」を探り続けた高木の作品。白壁が取り払われて、コンクリートの壁や空調ダクトがむき出しとなった、ありのままの空間を飾る。

高木由利子 写真展 Threads of Beauty 1995‐2025 ― 時をまとい、風をまとう。展示の様子
複合文化施設〈Bunkamura〉は、2023年4月より一部の施設を除き休館中。その状況を生かして、2024年からは「渋谷ファッションウィーク」において、館内の特徴的な建築空間を活用した展示プログラムを開催。本展はその3回目となる企画。

本展では、伝統的な衣服を身にまとい生きる人々を、30年間にわたって世界各地で撮り歩いた《Threads of Beauty》シリーズから、100点以上の作品が選出された。

会場構成を担当したのは、建築家の田根剛。京都・二条城で開催された『KYOTOGRAPHIE』での展示(2023年)に続き、高木とは二度目のコラボレーションだ。

「少数民族は道ができるといなくなってしまう。道は文明を作り出すものだからです。(高木)由利子さんはそんな文明に抗いながら生きる方達に魅せられてきた、ということを考えながら展示作りをしました」。

そう話す田根による展示空間は「旅と撮影」「オートクチュール」など8つのテーマから成り、それぞれの集積は「Village(村)」と名づけられた。竹和紙にプリントされた作品を縫い付けた大判の布が、テントのように吊るされて点在しており、順路がなく鑑賞者が自由に歩き回ることができる構成になっている。まるでノマド(遊牧民)の生活を想起させるような場だ。

「今回のメインテーマは、シンプルに『何が格好良いか』ということなんです。私が出会った人々の生き様からくる佇まいや、風情を感じて、現代の都会に住む人たちに『格好良さ』について考えてもらえたらと思っています」。

高木が語るように、《Threads of Beauty》は民俗史的な記録としてではなく、被写体となった人々の「格好良さ」の追求、すなわちアイデンティティの探索。そんな場所や時代も超える永遠の命題について、私たちに問いかける展覧会となっている。

〈Bunkamura ザ・ミュージアム〉に出張出店した森岡書店
「一冊の本を売る書店」をテーマとする森岡書店が、本展会期中、展示室内に特別出店。高木由利子の新刊写真集や関連書籍、梅田版画工房と高木由利子によるリトグラフ作品、漆皮作家・樋上純とのコラボ作品、ファッションブランド「amachi.」とのコラボアイテムなどを展示販売する。

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