地元を楽しませるために歌う姿が好き。奈良美智が好きなロコドル、ライスボール

出身地やゆかりの土地を拠点にオリジナリティあふれる活動を繰り広げ、地域を盛り上げているローカルアイドル、通称“ロコドル”たち。そんなロコドルを応援する現代美術家・奈良美智が、その魅力を語ります。

text: Masae Wako

選んだ人:奈良美智(現代美術家)

なら・よしとも/1959年青森県弘前市生まれ。国内外のロックやパンク、60~70年代の洋楽やルーツミュージックに詳しく、ロックフェスではDJも。少年時代に憧れ、今も敬愛する“アイドル”はRCサクセションでも活躍したCHABO。

「歌もダンスも上手で、とにかく実力がある。でも実は、エンタメ力っていうのかな、楽しませる力がすごいんです。毎年地元で開かれる新春ワンマンイベントは、自分たちで演出したコントあり扮装仮装もありの“のどじまん大会”で、笑い死ぬかも……っていうくらい面白い」

ロック好きで知られる現代美術家の奈良美智さんが、数年前から「近所の子みたいな存在」と応援しているのがライスボール。奈良さんの出身地でもある青森県弘前市を拠点にする“お米アイドル”だ。

2015年、りんご娘を育てた地元志向の事務所〈リンゴミュージック〉からデビューし、田植えや収穫を手伝うなど農家を応援しながら活動を続けている。メンバーチェンジはほとんどなく、今年は東北の人気フェス『ARABAKI ROCK FEST.25』や『風とロック芋煮会』にも出演した。

「彼女たちは、ただ上手なだけじゃない。歌とはどういうものなのか、歌詞を理解するってどういうことなのかを考えながら成長し、人の心を動かすなにかを掴(つか)み始めている。その一生懸命さが魅力的なんです」

ライスボール・太陽、実土里、水愛、現代美術家・奈良美智
前列左から、太陽、実土里、水愛。奈良も常連参加の『ARABAKI ROCK FEST.25』で。

歌から広がる情景が、地元を思う人たちの心に届く

「東京へ出よう、大きなホールでのライブを目指そう、という戦い方ではなく、地元の人を楽しませたくて、地元のために活動しているところが好き。ローカルアイドルは地方の人気者だから素敵なわけでしょう?

いつも地元のテレビに出ていて、MVには馴染みのある商店街や、町の古い教会が登場する。だからこそ、子供もおじいちゃんもおばあちゃんも、稲穂のペンライトを振るファーマー(ファンネーム)も、ライスボールをファミリーとして応援し、誇らしく感じているんです。それに、地方から東京に出た人が彼女たちのMVを見たら、きっとキュンとするんじゃないかなあ。

3人の歌は、地元を大切にする人の心に響く気がする。都会で活躍する人ばっかりがすごいわけじゃない。いつも身近にいて楽しみをくれる人、力を与え続けてくれる人が、本当のローカルアイドルだと自分は思います」

奈良美智が選ぶ一曲

「いつも通っていた地元の町が出てくるMVはやっぱり特別。僕はTシャツのキャラクターをデザインし、売り上げは時計台の修繕費に」。2023年発表。作詞・作曲は多田慎也。

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