バンドシーンを牽引し続ける雄
——昨年はフジロック・フェスティバルへの出演や、12月の東京、大阪でのツアーがありました。日本でのライブはどのような手応えを感じましたか?
キム・チュンチュ
フジロックでのリアクションは、僕たちにとって大きなきっかけになりました。規模も大きく、多くの人が新たに僕たちを知ってくれたと感じています。先日の日本ツアーでも、ライブ会場でのお客さんの熱量が以前より高まっていて、楽しみにしてくれていたことを実感しました。
——昨年7月のシングル「南宮(ナムグン)FEFERE(feat. Japanese Breakfast)」以降、新たなフェーズに入った印象があります。アルバム『POWER ANDRE 99』とは、どのような違いを見せる意図があるのでしょうか?
キム・ハンジュ
より柔軟で成熟した音楽を表現する僕たちの姿を見せたいという思いが強くなりました。『POWER ANDRE 99』では、機械的で硬質なサウンドが目立ちましたが、今はよりカラフルで、多様なスタイルを取り入れた、楽しい音楽を作ろうとしています。「南宮FEFERE」は、その変化の始まりを告げる楽曲でした。今後発表するアルバムでは、「Silica Gelはこんなサウンドもできるんだ」と感じてもらえたら嬉しいです。
——新曲「BIG VOID」は「空虚」をテーマにしていますが、メロディや演奏の質感はむしろ温かく、親しみやすい印象を受けました。アレンジの過程で意識したことはありますか。
ハンジュ
一番大切にしたのは、初めて聴いた時に直感的に気分が良くなることでした。イントロのピアノのメロディが耳に入った瞬間、温かさと清涼感が一緒に伝わるようにしたかったです。また、シンセサイザーの華やかなソロのような要素を通して、楽曲全体にも涼しさと熱さという“温度差”を与えて、聴くこと自体の快感を生み出そうとしました。
——これまでと同じく、「南宮FEFERE」以降も音楽とビジュアルの連動が重要な要素になっているようです。MVや舞台演出などを担っているソン・ギホさんとは、ビジュアル的にどんなことを表現しようという話を共有していたのでしょうか?
ハンジュ
ギホの役割は主にビジュアル面ですが、Silica Gelのクリエイティブ全体についても、一緒に意見を交わしています。最初から明確なコンセプトを決めて制作するというよりは、互いの信頼関係をベースに、僕たちの楽曲やライブの方向性を彼なりに解釈してアイデアを出し、それに対して僕たちが反応しながら完成させていってます。そういうやりとりを重ね、自然と形になっていきました。
——コンサートシリーズ『Syn. THE. Size X』でのビジュアルからは、日本の90年代SFアニメのような質感を感じました。皆さんがもし日本のアニメ作品で音楽を担当できるとしたら、どんな作品に挑戦してみたいですか?
ハンジュ
『攻殻機動隊』。作品自体も好きだし、菅野よう子やコーネリアスのような僕が好きなミュージシャンも音楽を担当したと聞いています。あと、最近『タコピーの原罪』を観たんですが、すごく面白かったです。
チュンチュ
『ルックバック』かな。『ダンジョン飯』『葬送のフリーレン』もいいかも。
チェ・ウンヒ
『BECK』。バンドである僕たちができたら最高だと思います。
キム・ゴンジェ
『SAKAMOTO DAYS』や『極主夫道』のようなカジュアルなものがいいんじゃないかな。
──これから具体的に日本で成し遂げたい目標はありますか?
チュンチュ
大きな目標になりますが、日本武道館でのライブをイメージしています。カネコアヤノさんやnever young beachら、僕たちが親交のあるミュージシャンたちが最近日本武道館で公演を行ったという話も聞いていて。僕たちは、日本での活動をとても楽しみにしているので、韓国のミュージシャンである僕たちが、そうした意味のあるベニューに立てたら嬉しいですね。
ゴンジェ
もっと近い目標としては、日本はライブハウスのインフラが整っているので、北から南まで駆け抜ける「Zeppツアー」をやってみたいです。

Silica Gelが選ぶ、今の韓国を知る公演

2024年に設立された、韓国で3番目となる公営のバレエ団で、その中では唯一のコンテンポラリーバレエ団。定期公演のチケットは完売することも多い。公演ではゴンジェ(ドラム)がバックで演奏を担当したことも。「言語がわからなくても楽しめるので、日本の方にもぜひ観てほしいです」(ゴンジェ)