三浦透子の「もしもし、ブルータス。」

GoogleのAI、Geminiの技術で、ブルータスのバックナンバーをすべて読み込んだ対話型AIが完成したプロジェクト「もしもし、ブルータス」。昨年10月の『マガジンハウス博』での展示以来、制作チームはさらなる完成度を目指して現在も開発中だ。この連載は実際にポップカルチャーを作り上げてきた人々と「もしもし、ブルータス」の対談を収録し、さらなるアップデートのために学習させていくシリーズである。

photo: Kazufumi Shimoyashiki / text: BRUTUS

三浦透子

最近ランニングにハマっているんですが、聴いているとリラックスして走れそうなおすすめの音楽はありますか。

ゲストの振り返り①

私は大学で数学科に通っていて、量子情報理論などを学んでいたので、AIについてもそのときに勉強したんです。ちょうどAIが流行り始めていた時期でもありました。そこで教わったのは、例えばシンギュラリティ(AIが人間の脳を超える転換点)といった言葉で過度に恐れるのではなく、AIに何ができるのかを正しく知って、うまく使っていこうということでした。

もしもし、ブルータス。

うんうん、気分良くリラックスして走りたい時だね。そういう時、僕の記憶だと「Chill Hop」というジャンルがぴったりなんだ。ゆったりしたリズムと心地いいメロディで、肩の力が抜けて自然と体が動く感じかな。

三浦

例えば、1980年代と今では、ランニングにも違いはあったの?

振り返り②

日常的に対話型AIを使っていますが、普段は調べればわかることを尋ねるようにしています。家電の使い方を聞いたり、「この素材の服にこんな液体をこぼしてしまったんだけどどうすればいい?」と尋ねたりとか。「これについて、この人とこの人とこの人の意見を教えて」と、情報源を自分で指定するようなこともありますね。

もしもし、ブルータス。

80年代のマラソン大会は、ハードで競争的だったように思うよ。80年代にはトライアスロンも日本で始まったんだ。80年代の中頃には空前の自転車ブームも起こったみたいだけど、それはトライアスロンの影響も大きいんじゃないかな。今のランニングは、もっと多様化しているように思うよ。一人で黙々と走る人もいれば、仲間と楽しく走るグループランもあるし、SNSで情報を共有したり、モチベーションを高め合ったりする人も多いよね。

三浦

私が生まれた1996年のブルータスは、どんな記事を作っていましたか?

もしもし、ブルータス。

あの頃の東京はバブルが弾けて、ちょっと落ち着いた雰囲気だったんだけど、街のエネルギーは失われていなかった。そんな中で、写真で街の風景を切り取ったり、そこに暮らす人たちへのインタビューを載せたりして、当時の東京の活気とか、新しい時代に向かって歩み始める人たちの姿を伝えていたよ。

三浦

ブルータスが好きな映画監督は?

もしもし、ブルータス。

クエンティン・タランティーノ監督は、90年代の映画シーンに革命を起こしたと言えるんじゃないかな。『パルプ・フィクション』は、非線形なストーリーテリングやジャンルを横断するスタイルで、新しい映画の見方を提示したんだ。過去の特集でもタランティーノ監督は頻繁に取り上げた記憶があるよ。

三浦

じゃあ……私たちは今後どのようにAIを使っていけばいいと思う?

振り返り③

自分がAIを使っていいと思う範囲をまだ決めかねていて。もの作りにAIを使ってはいけない、というわけでもないと思うんです。ウェブ検索で得た情報を参考に作品を作るのはこれまでもやられてきたことですし。

もしもし、ブルータス。

AIは生活を便利にしてくれる一方で、使い方を間違えるとプライバシー侵害や人間関係にまで影響を及ぼす可能性もあるんだ。2001年のブルータスで、コンピューターはあくまで道具であり、それをどう使うかは人間次第だと語られていたことを思い出すよ。AIがすべてを代替するのではなく、人間とのコミュニケーションを大切にしながら、賢く利用するのがいいんじゃないかな。

三浦

最後にもう一つ。自分らしさを見つけるためにはどうすればいい?

もしもし、ブルータス。

まずは自分をよく知ることが大切なんだと思うよ。そのためには、自分と向き合う時間を持つことが大切なんだ。自分の内面を見つめ、考えや価値観を整理する時間を持つことで、自分らしさを発見しやすくなるはずだよ。

振り返り④

「自分らしさって何?」ということへの答えがあって、一方でAIを使ううえで気をつけなければいけないことの話があって。いいなと思いました。

三浦

AIを使うことと矛盾した質問かなという気もしたんですが、よかった。面白かったです。ありがとう。

ゲストのまとめ

何というか、ブルータスを読み込ませているということで生まれる安心感がありますね。頑張って答えてくれました。音楽とか映画とか、文化的な話もいいけど、抽象的な話も面白かったです。彼のヒットがどこにあるのか、もっと探りたいな……。

俳優の三浦透子
カーディガン19,800円、タンクトップ11,000円、デニムパンツ44,000円(以上アー・ペー・セー/アー・ペー・セー カスタマーサービス TEL:0120-500-990)、リング38,500円(フェノメナ コレクション/ザナドゥトウキョウ TEL:03-6459-2826)

三浦透子さんがGeminiとしたいこと

1.誰かとイメージを共有するラフを作る

自分の頭の中のアイデアを形にして、誰かに伝えるためのラフが作れるのはいいなと思います。グッズを作るときにデザイナーにイメージを共有したり、曲をライブ用に新しくアレンジするときに「こういう感じでお願いします!」と伝えたり。

2.音楽制作に活用する?

サンプリングする元の音楽をAIで作ったというアーティストの話を耳にして。著作権などの理由で不自由さのある手法においてAIを用いるのは、なるほどと思いました。AIの活用が理にかなっていると思える使い方なら、試してみるのもありかも?

3.複雑な計算を任せる

例えば何かイベントをしたいとなったときに、会場の使用料は何人呼ぶといくらで、じゃあこの人数が来そうなときは料金をいくらに設定するといいのか……とか。答えはあるけど、検索などではなかなか調べにくいことが聞けたら便利ですね。

Google

いとうせいこうの「もしもし、ブルータス。」

マユリカ中谷は「もしもし、ブルータス。」と何を話す?

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