フードライター・渡辺紀子が選ぶ、余白を味わうごはん。東山〈じんぐうみち萬樹〉

注文の仕方や量の融通が利くおおらかさ、技術に裏打ちされた懐の深さ、週に1度だけ開く気負わなさなど、フードライター・渡辺紀子さんが語る京の食の楽しみ。

photo: Kiyoshi Nishioka / text: Yuko Saito

おばんざいで飲みつつ、ゆったり過ごせる週1うどん店

営業は土曜のお昼だけ。品書きはおばんざいとうどんのセットのみ。その店を、都の旨いもんに目がない渡辺紀子さんは「余白だらけ」と言う。そのココロは?

「スタッフはそれぞれ分野は違えど一流の仕事を持っている。それでも永田昌彦さんが作るうどんが大好きで、一人でも多くの人に食べてほしくて、それぞれの仕事の隙間を使って店をやっている。だから、気持ちがいいほど商売っ気がないし、楽しそうだし。客にもそれが伝わるから、ゆったり過ごせるんです」

京都〈じんぐうみち萬樹〉実山椒入り自家製ジンジャーエール
実山椒入り自家製ジンジャーエール600円。

かつて祇園町北側でうどん店を営み、現在は料理屋への卸と通販で全国にうどんを届ける永田さん。彼を店主に、フラワーアーティスト、フォトグラファー、フードスタイリストの4人が、土曜だけ集まって始めた店だ。

料理人のファンも多いというスタイリスト、河内直美さんが作る京野菜が主役のおばんざいで、ゆるりと一杯。やってくるうどんは、しなやかなコシのある細麺だ。丼に温かいつゆを張り、ゆでたての麺を投入して仕上げるべく、1分半でゆで上がるこの麺を開発したという。つゆは、旨味の強いだしが香る。

「最後の一滴まで飲み干したくなるおいしさ。少々、値は張るし、予約は必須ですが、誰でも気負わずに出かけられますよね」

京都〈じんぐうみち萬樹〉店内
調理風景が見える広々とした店内も気持ちいい。

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