かつてのバーバーをバーに。清水五条の静かな町に溶け込むリスニング時空間
河原町の繁華街からも徒歩圏内。だけど、少し離れているからゴチャゴチャはしていない。古くからの住宅も多くて静か。もともと、こんな落ち着いたエリアでなにかできたらと考えていて」。そう話すのはオーナーでDJのMICHIさん。
ここ数年、個性的なニューショップが登場する清水五条エリア。夕方になると新宮川町通に小さな明かりを灯すのは、かつての理容室を生かしたレコードバー。つまりバーバーがバーに。京都の数あるレコードバーでも異色かもしれない。年季の入るファサードや、理容室時代の鏡、そして屋号の“ヤマダ”もそのまま引き継ぎ、静かで落ち着いた町に溶け込んでいる。

選盤はブラックミュージックやシティポップを軸とするが、「ジャンルは意識せず。デジタルではなく、わざわざレコードで聴く余裕、アナログならではの醍醐味を伝えられたら、と」(MICHIさん)。1階のスタンドは週末は混み合うが、穴場は吹き抜けとなった2階のラウンジ。ソファで一人、音にじっくり向き合うこともできる。
また、MICHIさんが、過去の理容室と同様に、町とつながることをテーマに掲げていることから、突き出しは近隣の老舗佃煮店の一品。ちりめん山椒などをつまみつつハイボールを傾ける。清水五条ならではのリスニング時空間がある。

MICHIさんが語る、京都の余白
落ち着いた清水五条のムードとリンクすることが居心地のよさに
〈RECORD BAR YAMADA〉は繁華街から少し離れた、静かな清水五条にあるので、町のムードを保ち続けている周囲の店とつながることが大切だと考えています。近くの〈大黒湯〉は一人で完全にオフになれる場所。今、番頭の竹林昂大さんと何かコラボしようと話しているところです。

近くの花街・宮川町から舞妓さんも通う創業80年を超える五条の〈大黒湯〉。46℃は下回らない、京都で最も熱い湯として知られた銭湯。2025年2月に閉業したが9月に復活。継業した番頭は〈サウナの梅湯〉の元スタッフであり、京大銭湯サークルの会長も務めた竹林昂大さん。熱い湯はそのままだが、番台式からフロント式に改装。入浴料550円。
あと、ゆっくり過ごせる場所というところでは〈樽酒と蕎麦 VIBES〉がおすすめ。週末は朝から営業をされているので、休日に早起きして、おいしい十割蕎麦をいただく時間が好きですね。

西院駅から徒歩5分ほどの位置にある〈樽酒と蕎麦 VIBES〉。2024年5月に西陣から移転。グルテンフリーで手打ちで手切りの十割蕎麦がメインだが、カレーペーストの付いた蕎麦チップスや鴨ロースなど一品も充実。週末と祝日は朝から日本酒も楽しめる。蕎麦2種、蕎麦前、そばがき、酒のセット3,960円。

