人生を前に進めるための「冒険」という選択
旅が外の世界に興味を持つことで始まるとしたら、冒険は自分の内側を探るためにするものなのかもしれません。僕がドイツに移住した時も「この段階を踏まなければ次のステップには進めない」という冒険に出るような気持ちでした。
映画『ダージリン急行』の3兄弟や、『お嬢さん放浪記』の著者・犬養道子さんにも、時代や状況は違えど、どこか同じような思いがあったように感じます。金銭的には全く苦労していない3兄弟ですが、それぞれがどこかに傷を抱えていて、旅の道中に自分の無力さを実感します。


元首相・犬養毅の孫にあたる著者が、1948年にアメリカ・ボストンへ留学。病気の療養や起業を経てヨーロッパにわたり、各地を巡る。57年に帰国するまでの体験を綴ったエッセイ。著:犬養道子/角川文庫/924円。
犬養道子さんも名家の出身ですが、親のお金には一切頼らずに旅に出ます。どんなに恵まれた環境にあるように見えても、それぞれに人生の課題があるんだと感じました。そして冒険は、支えてくれる人がいるから成り立つと実感できる体験です。その体験があるから、また自分の人生に向き合えるのでしょう。