君島大空が引き出す。21世紀のジャズギター最重要人物、ジュリアン・ラージの素顔

君島大空は熱心なジュリアンのファンで来日公演にも足を運んでいる。そんな君島の問いにジュリアンは優しく真っすぐ答えていた。自分の心の内をさらけ出すことを楽しんでいるように見えた。

本記事は、BRUTUS「TOY LIFE」(2026年3月2日発売)掲載の内容を拡大して特別公開中。

text: Mitsutaka Nagira(Jazz The New Chapter)

話を聞いた人:君島大空

きみしま・おおぞら/1995年東京都生まれ。弾き語りの「独奏」、石若駿、新井和輝、西田修大との「合奏形態」など、複数の編成を駆使し、様々なジャンルを融合させるシンガーソングライター、ギタリスト。NHKドラマ『火星の女王』の主題歌「記憶と引力」を手がけた。

君島大空はかなり熱心なジュリアン・ラージのファンだ。彼は2025年のジュリアンの来日にも足を運んでいた。君島と彼の友人でギタリストの西田修大はこのとき、ジュリアンと初対面した。若い才能との出会いをジュリアンは喜んでいて、そこでふたりは連絡先を交換し、君島はジュリアンに自身の音源を送った。その後、この対談が決まった。

この対談は清々しいほどに気持ちがいいものになった。君島がジュリアンに向かって真っすぐに自分の疑問を投げかける。君島からの問いにジュリアンは優しく丁寧に答えを返す。この日のジュリアンは君島の質問に答える中で自分の心の内をさらけ出すことを楽しんでいるようにさえ見えた。まるで師弟のようなふたりの会話はずっとスウィングしていた。

これまで何度もインタビューをしてきたが、ジュリアン・ラージはそんなにやりやすいインタビュー相手ではなかった。特にジャズの話をしてもらうのは簡単ではない印象があった。そこには壁があった。でも、ある時期から少しずつ変わっていって、今では自分から進んでジャズの話をしてくれるようになった。この日の対談はその彼の変化の答え合わせのようでもあった。その全ては君島大空が引き出したものだ。

きっとこの会話の続きはまたあるはず。とりあえず、その最初の対談を読んでもらおう。

──まず最初に、君島さんがジュリアン・ラージさんをどんな経緯で知ったのか、そしてどんなところに惹かれているのかを聞かせてください。

君島大空

たぶん10年くらい前です。偶然YouTubeで、ジュリアンのトリオによる「I’ll Be Seeing You」のライブ映像が流れてきたんです。それを観たときに、「こんなに身体性の高いギタリストは見たことがない」と思いました。その後、ミュージシャン仲間の間でもすごい話題になったこともあって、来日公演を観に行くようになりました。

YouTubeに上がっているワークショップの映像もすごく好きで、何度も観ています。本当に、10年くらい前からずっとファンです。

ジュリアン・ラージ

ありがとう。それは本当に光栄だよ。こうして話せるのも嬉しいし、君と音楽の話ができるのは特別なことだと思ってる。

君島

先日、ブルーノートでの公演を観させていただきました。実はジュリアンのソロを聴くのは初めてだったんです。今回はソロ・ギターの公演だったんですが、これまではトリオ編成で聴くことが多かった。ソロでアコースティック・ギターを一人で弾くときと、トリオで演奏するときとでは「使うチャンネル」が違うと思います。その自分のモードの切り替えはどうしているんでしょうか?

ジュリアン

すごくいい質問だよ。そのふたつは全然違うんだ。しかも、その違いを今でも学び続けてるところでもある。大きな違いのひとつは、バンドで演奏するときは、そこに喜びがあって、会話があって、ダイナミクスがあるってことなんだ。他のミュージシャンと一緒に演奏するときは、その関係性やダイナミクスに意識を集中させる必要がある。そこにエネルギーを注ぐこと自体が、演奏の中心になる。

一方で、ソロだと、それがなくなるように思われがちだけど、実は逆なんだよ。ソロの場合は、自分とギター、観客、会場、空間の響き、そういうもの全てとの関係性を常に感じながら演奏することになる。だから、僕にとってはソロのほうが、むしろ気づくことが多くて、別の意味でずっと複雑なんだ。複雑さの種類が違う、っていう感じかな。

君島

なるほど……。

ジュリアン

あ、ひとつだけ付け加えさせて!本当はこの話だけで一晩中いけるくらい話したいんだけどね(笑)。

バンドで演奏するときって、低音があって、中音があって、その上にシンバルがある。ある種のオーケストレーションのルールが自然とできてるよね。でもソロの場合、そのルールがひっくり返る感じがある。たとえば、メロディを低音弦だけで弾いてたら、それが一番上の声になることもあるし、逆に高音弦で伴奏をすることもある。だから、「メロディはどこに置いていいのか」という感覚が、ものすごく自由になる。それがソロの面白さなんだ。

バンドだと、自分の役割があって、ミックスの中でどこにいるか、どの音域を担当するかが決まっている。それは美しいことでもあるけど制限を感じることもある。ソロには、その制限がない。オーケストレーション全体を自分で自由に再構築できる。そこが、バンドとの決定的な違いだね。

君島

さっきのオーケストレーションの話を聞いていて、思い出したことがあります。何年も前にワークショップ動画で、楽譜を見るんじゃなくて、まず音楽の流れやダイナミクスを絵として描いてみる。それをイメージしながらギターで弾いてみる、というアプローチの話をしていました。これって今の話と繋がってますよね。「どこにメロディを置くか」「低音でメロディを弾く選択」みたいなことをソロではより自由にやっている。

あと、ソロではバンドのとき以上にインプロヴィゼーションを「許している」ようにも感じたんです。その瞬間瞬間で、複雑な選択を生きている感じがしました。それ超人的ですよね(笑)。しかも、それをすごく楽しそうに、笑顔でやっている。見ていてちょっと怖くもなるんですよ。

ジュリアン

あはは(笑)。でもね、本当に楽しいんだよ。喜びしかないからね。ストレスを感じることはまったくないんだ。リスクを取って、冒険に飛び込むこと。それができる状態って、ミュージシャンとしての理想だと思ってる。夢みたいな状態だよ。ただ、それは完成形じゃなくて、常に現在進行形のプロセスなんだ。だから、いつも謙虚な気持ちで向き合ってもいる。

今回の日本ツアーで言えば、どの公演も環境がまったく違っていた。会場の響き、空間、その場にいる人たち、そういうものすべてが音楽に影響していたんだ。僕は「何かをやろう」と思ってステージに立っているわけじゃない。ただその場に行って水に飛び込むだけなんだ。もし運がよければ、ちゃんと飛び込める。それだけのことだって考えてる。

君島

すごくわかる気がします。僕も一人でギターを持って、いろんな場所で演奏することが多いんですが、「何をしよう」と決めていくわけじゃない。音が空間に鳴った瞬間に、どのルートを選ぶかを、その場で勝手に決めている感じがあります。だから、ずっとジュリアンに対してシンパシーを感じていたんだと思います。ジュリアンは考える前に、身体が選んでいる、みたいな感覚に見えるんですよね。その身体性の高さが、ずっと印象に残っているんです。

ジュリアンは日々、相当な時間をギターに捧げているんだろうなと。この前、友達のギタリストの西田修大とブルーノートに行ったときも、「いったい普段どう過ごしてるんだろう」って話してました。

ジュリアン

人生全体で見れば、確かにものすごくギターは弾いてきたね。8歳から12歳くらいの頃は、1日8時間とか10時間、11時間弾いていた。でも、それを「練習」だと思ったことは一度もなかった。友達と遊ぶのと同じ感覚で、ギターと一日中一緒に過ごして、気づいたら日が暮れていた、という感じ。

大学に入ってからは、少し変わったかな。練習の時間は減ったけど、その代わりに、ミュージシャンと一緒に演奏する時間が増えた。「ステージでの1時間はベッドルームで6週間練習するより価値がある」なんて言われたりもするよね。今はツアーや本番そのものが、いちばんの“練習”になっている。

でも、日本ツアーを終えたあと、もう一度ちゃんと練習し直したい気持ちになったんだよね。長い時間をギターと過ごすこと。それは、自分の行動や癖を観察して、「本当に思っているインパクトを生んでいるか」「もっと自然にできる余地はないか」を問い直す時間でもある。先生から学ぶことも大切だけど、結局のところ、僕たちはみんな独学なんだ。自分自身が「自分にとっていちばんの先生」である必要がある。だから、こういう節目で立ち止まって、自分に問いかけることが大事なんだ。特に今回の日本公演のあと、君と会ったあとだよね。いろいろ考えることが増えたんだ。

君島

やっぱり、イメージ通りの人ですね、ジュリアンは。またソロの話になってしまうんですけど、この前の公演は1日2セットでしたよね。僕はセカンドセットを観たんですが、正直、「これを2セットやるのはちょっと意味がわからない」と思ったんです。これを同じ熱量で2ステージやること自体が想像できなかった。セカンドだけでも相当なエネルギーだったので、「これ、ファーストも同じことをやったの?」って。そもそも、1セットの中でどういうふうに流れを描くのか。それはあらかじめ決まっているのか。その時々の自分のヴァイブスや会場の空気によって、どこまで変わっていくものなのか。すごく気になりました。

ジュリアン

すごくいい質問だね。実は1年くらい前から、初めて本格的なソロツアーをやったんだ。初日も2セット、2日目も2セット。1セットが70分から90分くらいあって、かなり長かった。最初のセットはエネルギーに満ちていて、「あ、これはいい感じだ」って思ってた。でも、2セット目の途中で、完全に疲れ切ってしまったんだ。あんな感覚は初めてだった。それで初めて、スタミナについて考えるようになった。

演奏していると、ときどき、沸騰したお湯が入っている鍋みたいな状態になることがある。エネルギーがどんどん高まって、もう上に行くしかない、止めたくない、みたいな感覚。それ自体は悪いわけじゃないし、感情的な力を持つ瞬間でもある。でも同時に「それがどれだけの代償を伴うか」を認識する必要があると気付いたんだ。たとえば、演奏中に息が上がっていることに気づいたら、それは今この瞬間じゃなくて、1分前にちょっと頑張りすぎた結果なんだよね。

君島

なるほど。

ジュリアン

ギターって、本来は重い岩を持ち上げるような楽器じゃないでしょ?人間の身体に合うように設計されている。だから、演奏で完全に疲労困憊しているとしたら、それはどこかで無理をしているサインでもある。ときには、少し緩める。数分間、呼吸を与える。そういう調整が必要なんだと思うようになった。

それに、身体が疲れていると、耳も疲れている。耳が疲れたら、そのショーをちゃんと聴けなくなる。僕は、演奏しながら、「このショーを最後まで聴き続けられる状態でいたい」って考えるんだ。だから、エネルギーを使い切らないようにしなきゃいけない。今、そのやり方を少しずつ学んでいるところなんだよね。

君島

めちゃくちゃ面白いです。しかも、それをジュリアンが言うからこそ、すごく腑に落ちます。

ジュリアン

ありがとう。でも、僕自身が今まさに学んでいる最中の話だから。

君島

僕自身は、ソロもやるけど、ロックバンドもやっています。バンドのときは、自分を消耗させる方向にエネルギーを出していくことが、美しいとされる瞬間もある。「壊れろ」って思いながら、破滅に向かっていく感じ。でも、ソロになると、まったくチャンネルが違う。

ジュリアンのソロを観ていると、完全にオンになっている瞬間と、一度フラットな状態に戻す瞬間が、はっきり見えるんですよね。「あ、今ちょっと戻したな」っていう、身体が一瞬で切り替わる感じが、すごくわかる。ジュリアンはオンになっている瞬間と、一度リセットして平常に戻す瞬間が、身体の動きでわかるんですよね。

ジュリアン

うん、たしかにそうだね。ソロに限らず、演奏って身体の中にエネルギーが溜まっていくことがある。だから、外側の動き、たとえばリセットするみたいに身体を動かすとか、一息つくとか、椅子に座り直すとか、軽く揺らすとか。そういう動きは全部、溜まったエネルギーを放すのに役立ってると思う。

それでね、もしそれが何度も起きているなら、僕は自分に問いかけるんだ。「なんで今日はこんなに放出しなきゃいけないんだろう?」って。これはいい悪いじゃない。それ自体が、いま自分の中で何が起きてるかを確かめる“目印”になるんだよね。

君島

すごく面白いです。僕はギターって、すごく手軽な楽器だと思うんです。演奏人口も多いし、自己表現のための“道具”として、取りかかりやすい楽器でもある。でもジュリアンの話を聞いていたり、演奏を見ていると「ギターという楽器が人間に対して求めていることもあって、それに対して演奏者の身体がどう動くべきか」みたいなことをすごく考えてるように感じるんです。それを見るたびに、僕は背筋が伸びるというか、心を正される気持ちになります。

ジュリアン

そんなふうに言ってくれるのは本当に嬉しいな。僕が学んでいることのひとつを教えるね。

アンドレス・セゴビアやジュリアン・ブリームといった自分にとってのヒーローを見ていると、彼らは「起きていることの中にいる」と同時に、どこかで「それを観察している」感じがあるんだ。つまり、音楽が好きで聴いている自分(ファンとしての自分)と、音楽を演奏している自分(プレイヤーとしての自分)。そのふたつが同時に存在している。「自分はファンでもあり、演奏者でもある」というこの二面性。どんなバランスでこれを両立させるかはプレイヤーごとに全然違う。そして、そこはすごく面白いところなんだよね。

君島

なるほど……。その二面性はすごく新鮮です。ジュリアンはまさにそれをやってる人だなと思います。

ジュリアン

大空もまさにそうだよ。君が言ったことを、君自身がやってる。ファンでありながら、演奏してる。音楽って最高なんだ。

君島

ずっと「ジュリアンってこうなんだろうな」って思っていたことの答え合わせをしてるような感じがします。

ジュリアン

それはね、君も同じ感覚があるかもしれないけど、誰かに強く惹かれるときって、その理由を言葉にしづらいことがある。でも、たいてい相手がやっていることのどこかがすでに自分の中にもあるんだ。外側にそれが見えてしまうから、「あの人は自由だ」「冒険している」「技術がすごい」って興奮する。でも、相手を深く聴いたり、実際に近づいていくほど、「自分がその人を好きなのは、自分の中にもそれがあるからなのか!」って気づくことがある。

だから、君の質問を聞いていて、僕はすごく心を動かされたよ。今、僕が聞いているのは、君自身の反射だったんだ。君が何を大事にしていて、何にワクワクしていて、どこへ向かっているのかが、すごくよく伝わってきた。それは僕にとって希望でもあるんだよ。つまり、君はもう答えを知ってるんだ。僕は君にそれを思い出させてるだけなんだよ。

君島

……面白いです。今日話していて、ジュリアンの解像度がすごく上がりました。たとえば、ソロとアンサンブルの関係性、ソロなら聴衆や会場との関係、アンサンブルなら共演者との関係、そういう変化をジュリアンが楽しんでいるのは、僕もなんとなくわかっていたんです。

でも、ジュリアンの中って「二面性」どころじゃなくて、もっと多層的な気がする。野性的な自分もあるし、冷静な自分もいるし、音楽を愛する自分もいる。それに、学んできた自分もいる。その「自分の中にいる複数の自分」が、どういう周期で出てくるのかはわからないけど、ジュリアンはそれすら自分で楽しんでいるのかな、って。今の話を聞いて思いました。

ジュリアン

面白い視点だね。僕がまず思い出したのは、大学を出てニューヨークに行った頃のことなんだ。あの頃の僕は、とにかく、できるだけ多くの人と演奏することを自分に課してた。トラディショナルなジャズの人たち、フォークやブルーグラスの人たち、アヴァンギャルドの人たち、シンガーソングライターと、本当にいろんな人たちと。

それがなぜ良かったかというと、異なる音楽を演奏すればするほど、自分の中の別の何かが引き出されるからなんだ。そして、その違いをたくさん経験するほど、逆に「自分の中のセンター」が見えてくる感覚がある。たとえば、つい先週も、友達のオーケストラで演奏する機会があった。普段やってることとはまったく違う体験だったから、すごく刺激になったんだ。そのあと家に帰ったら、「よし、自分が今取り組んでいることに集中したい」って気持ちになったんだ。

それからまた別の日に、別の友達のリハーサルに行ったら、今度はもっとストレートアヘッドなジャズだった。それをやったら、また家に帰って「よし、自分のことをやろう」って思った。

つまり、いろんな種類のバンドや音楽に触れるほど、その経験は「自分の個人的な音楽」に戻ってくる。プレイヤーの音を聴けば、その人が多様性を「経験しているかどうか」だけじゃなく、むしろ多様性を「愛しているかどうか」が伝わることがある。いろいろな経験をした結果、僕は自分がそういう多様性を愛してるタイプだと思ったんだよね。

君島

その“センター”ってやっぱりジャズなんですか?

ジュリアン

うん、僕にとってはジャズだと思う。ただ、正直に言うと、ブルース・ギターでもある。最初に心から好きになったのはブルース・ギターだったから。そのジャズやブルースにつながる、ブラック・ミュージックの伝統、そこから広がるインターナショナルな音楽のつながり。そういう系譜が、僕にとっての「ホーム」なんだ。

ただね、これは付け加えておきたいんだけど、僕は長い間、「自分の中心がジャズだ」ってことを拒んでたんだ。その理由は自分でもうまく説明できない。でも、ずっと否認していたから、そのぶん葛藤も長かった。それがあるとき、「ここは自分の家族なんだ」「自分はここから来ているんだ」って認められた瞬間、ものすごくホッとした。肩の荷が下りた感じがしたんだ。実際はジャズの世界に内側から支えられているような感覚もあったんだよね。うまく言えないな。でも、本当にそう感じたんだよ。

君島

何かきっかけがあったんですか?

ジュリアン

うーん、はっきりとは思い出せないなぁ。でも、たぶん僕のジャズ観が変わったんだと思う。昔はジャズって「能力や技術を獲得すること」だと思ってた。でも、そうじゃなくて、ジャズは文化であり、愛であり、癒やしなんだって気づいたんだ。

ジョン・コルトレーンのようないわゆる「マスター」たちの音楽を聴いたときに僕らが受け取るものって知識の量とは別のところで起きてるよね。深いコンパッション(共感)や、スピリチュアリティみたいなものが動いてる。だから、ジャズを「たくさん知っている・あまり知らない」ってことは本質じゃないんだよね。大事なのは、そこにちゃんと接続されているかどうか。自分が本当にそれを愛しているかどうか。僕にとっては、そこが大きいってことがわかったんだ。

君島

すごく大事な話だと思います。僕はいま30歳なんですが、自分の周りの同世代にはジャズミュージシャンがすごく多い。でも、リスナー側には、ジャズに対するハードルがずっと残っている。「ジャズは学術的で、知識がないと聴けない」「語法を知らないといけない」みたいなイメージが、ミュージシャン側にもリスナー側にもある。僕自身にもコンプレックスがあると思う。だから、ジュリアンが言った「文化であり、愛であり、癒やしなんだ」っていう話は、周りの仲間にも、そして、僕にもすごく聞かせたいです。

ジュリアン

でもね、多くの人は、どこかでそれをわかってると思うんだ。だからこそ、大空みたいにプラットフォームを持っている人が、それをちゃんと伝えていくのはすごく大事だよね。もしステージや場があるなら、「ジャズはフォークロアなんだ」ってことを伝えて、多くの人を招き入れてほしい。ジャズは人間による音楽で、コミュニケーションの音楽で、解放の音楽なんだって。少なくとも僕はそう思ってる。

君島

なるほど。そうですよね……。

ジュリアン

今日は本当にありがとう。またすぐ会えるといいね。次は対面で、続きを話そう。日本でも、君がこっちに来たときでも。どこかで実現しようよ。

君島

またやりたいです。もし会えるならギター持っていこうと思ってたんですよ。

ジュリアン

うん、じゃ、次はギターを持ってきてよ。

『シーンズ・フロム・アバヴ』
ブルーノートレコードから発表した新作ではジャムバンドムーブメントの中心人物で名鍵盤奏者のジョン・メデスキが奏でるハモンドオルガンを全編にフィーチャー。ゴスペルを軸にアメリカ音楽を詩的に表現。プロデュースはジョー・ヘンリー。品番:UCCQ‒1228。

SHARE ON

FEATURED MOVIES
おすすめ動画

BRUTUS
OFFICIAL SNS
ブルータス公式SNS

FEATURED MOVIES
おすすめ動画