〈YENTA〉のロブロ
日々味わいが変わる唯一無二のパンを買いに、吉田山の麓へ
わざわざ京都でパンを買って帰らなくても……って⁉いえ、京都のパン好きがこぞって通うのには、理由がある。店主の吉原真由子さんのパン作りは独学だ。
自ら“粉オタク”というほど国産を中心に多彩な粉を試す。そして数え切れないほど焼いて、独自のパンを生み出す。だから、味わいも食感も唯一無二。ここでしか出会えない。ロブロは、ライ麦100%のデンマークの伝統的なパン。
ドイツ産のライ麦粉に、店内で粗く挽いた北海道産自然栽培のライ麦を混ぜていて、ライ麦パン特有の酸味が不思議と穏やか。ほかも乳製品を使わない食事パンが中心。日々味わいが変化する日持ちするパンが多いので、旅を終えてからの楽しみも尽きない。
〈Régis d.〉のPipelette白缶
街中の喧騒とは無縁の一乗寺で、京都が詰まったフランス菓子を
たくさんの地元の人に訪れてほしい。東京と京都の〈ピエール・エルメ〉で、長くシェフパティシエを務めたレジス・ドゥマネさんが、そんな思いから店を構えたのは、街中から離れた一乗寺。静かな工房で、ここでしか手に入らない菓子を一人黙々と作る。
並ぶのは、見た目や味のインパクトではなく、噛むほどに素材の味が広がる滋味溢れるお菓子。材料も、できるだけ生産者の元に足を運び、納得したものを使う。その象徴がビスキュイ缶。
主役は、店内にも飾られている京都府産の小麦。その中力粉を使い、これまで培ってきた技術で焼き上げた4種には、和束(わづか)産の和紅茶の茶葉や亀岡産のそよご蜂蜜など、地の食材が詰まっている。
〈洋菓子の欧風堂〉のワッフル
保冷バッグ持参で買いに行きたい、昔懐かしいふわふわワッフル
京都のおいしいもの好きが「手みやげでいただくとうれしい」と口を揃えるのが、1957年創業の老舗洋菓子店が作るワッフル。
といっても、ベルギータイプではなく、カスタードクリームをふわふわの生地で包んだ、今では珍しい日本風。京都屈指の老舗洋菓子店で修業した初代が始め、2代目の佐々木義晴さんが、変わらぬレシピで継いでいる。
オリジナルの鉄板に一枚一枚生地を流し、低温でじっくり火を入れる。ふわふわの秘密は、通常よりたくさんの卵白を生地に加えること。その生地で包んだカスタードもまた、これ以上ない軟らかさで、味も食感もとことん優しい。賞味期限は当日限り。保冷バッグ持参で買いに行きたい逸品。
〈N'IMPORTE QUOI〉のりんごのタルト
京のお菓子好きが愛してやまない、父子で続くリンゴの名作ケーキ
京都におけるフランス菓子の草分けといえば、西原金蔵シェフの〈オ・グルニエ・ドール〉。秋になると始まるここのリンゴのタルトを、多くの菓子好きは心待ちにしたものである。
店は惜しまれつつ閉店したが、タルトは息子・西原裕勝シェフのパティスリー〈ナンポルトクワ〉で健在だ。完成まで4日間。リンゴも一枚一枚スライスし、それを生クリームにくぐらせては並べて焼く。
見た目以上に手間がかかるが、「父のスペシャリテであると同時に、自身がパティシエを志すきっかけになったケーキなので」と、時季でリンゴの品種を替えながら変わらぬ味で作り続けている。父子で続く京都の名作タルトは、常温で持ち運べるので手みやげにも。











