私が好きな冒険の本と映像。〈BEARD〉店主・原川慎一郎

五感を解き放つ大自然へ、たった一人で孤独と向き合う旅へ、世界の裏側にあるリアルを求めて……。人はなぜ、冒険に惹かれるのか。その答えを求めて、冒険好きの原川慎一郎さんに、一番好きな冒険作品を教えてもらいました。観るだけで、読むだけで、心沸き立つ作品。あなたの常識を覆してくれる冒険作品がここに!

illustration: Ryo Ishibashi / text: Saki Miyahara

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生きる意味を追求し続ける“冒険者”星野道夫の姿勢

僕にとって、冒険者といえば写真家の星野道夫さんです。命を懸けて、自然を撮影し続けた彼の生きざまこそ冒険なのではないでしょうか。今でも作品や生き方を通して、自然の壮大さと厳しさ、人の儚(はかな)さを伝えてくれています。

『地球交響曲(ガイアシンフォニー)第三番』には、星野さんのほか、宇宙物理学者フリーマン・ダイソンさんや航海師ナイノア・トンプソンさんが登場。出演者たちは皆、人生を懸けて地球やあらゆる生命に敬意を払い、その偉大さを理解しようと向き合っています。その姿勢に深く心を打たれました。

映画『地球交響曲第三番』
©Jin Tatsumura Office, Inc.

『長い旅の途上』は、星野さんの写真だけでなく言葉にも触れたくて手に取った一冊。タイトルの「途上」という言葉から、人生とは、生かされている意味を一生かけて探る冒険なのだ、とのメッセージを受け取りました。どちらも、地球上に生かされていることを忘れず、おごらずに生きる大切さを教えてくれる作品です。

『長い旅の途上』著:星野道夫
『長い旅の途上』
ヒグマの襲撃に遭い、1996年に急逝した星野道夫。死後に未発表のエッセイをまとめた遺稿集。撮影のフィールドとしたアラスカでの出来事を綴り、写真も多数収録されている。著:星野道夫/文春文庫/902円。

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