Eat

〈おかしやうっちー〉のシュークリーム。伝えるためのクリームは、オーガニックの全卵で作る

シュークリームはパティシエの名刺代わりのお菓子。評判の店〈おかしやうっちー〉のパティシエにこだわりを聞いた。

Photo: Atushi Kondo / Text: Yuko Saito / Styling: Misa Nishizaki / Food: Namie Omi

フルーツのないショートケーキに、生クリームを使わない生チョコ、卵を変えて2種類並ぶプリン……。2019年9月にオープンするや、掟破りの菓子作りで注目を集めている“うっちー”こと、内山裕介さん。むろんシュークリームとて例外ではない。

クリームは、焼き色の強いシュー皮とのコントラストが際立つ色白。卵は、放し飼いのオーガニック自然卵“神果卵”。しかも卵黄ではなく、全卵を使う。

シュークリーム(神果卵)520円(直径8㎝、高さ5.5㎝、重さ95g)。
シュークリーム(神果卵)520円(直径8㎝、高さ5.5㎝、重さ95g)。

「白くてさらっとしていますが、卵の味はしっかり感じられると思います。卵には、卵黄だけでなく、卵白にも卵白ならではの香りや味がある。全卵を使うことで、この卵って、こんな味なんだって知ってもらえれば」

バニラビーンズや生クリームを入れないのはもちろんのこと、牛乳も低脂肪乳、小麦粉も最低限。炊き時間もなんと1回沸騰させて終わりだ。「長い時間炊けば、クリームの味は濃厚になっても、卵の香りや風味は飛んでしまいますから」

フランスのレストランでパティシエを務めていた内山さんは、帰国後、日本のお菓子を知りたいと、和菓子店〈一幸庵〉で働いたことがある。

「ちゃんと小豆から炊いている店のあんこは、小豆の風味がして抜群においしい。しかも、材料は砂糖と水と、ほんの少しの塩だけ。僕が作りたいのは、そんな最小限の食材で素材の味が感じられるお菓子なんです」

最後、シュー皮とクリームが一体になって消えていくような後味は、なるほど和菓子の趣。内山さんにとってのカスタードは、あんこなのだ。