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名古屋、蒸し羊羹の名店〈美濃忠 本店〉〈長寿園〉〈梅屋光孝〉

あんこの都といえば京都、東京、金沢、松江ですが、名古屋に、通たちの視線を集める和菓子の名店が揃っているのを知っていますか?数種のあんこを自ら炊き、上生菓子、押し物、棹物、餅菓子に。様々なあんこの菓子が市民に愛され、日々の暮らしに溶け込む背景には、歴史とオリジナリティの継承がありました。

Text: Sang Mi Kang

美濃忠 本店の「上り羊羹」

徳川義直公の舌がもたらした
これぞ名古屋式蒸し羊羹

尾張徳川家御用達の菓子屋〈桔梗屋〉に奉公した初代・伊藤忠兵衛が1854年に創業。その際、〈桔梗屋〉の主人から製法を譲り受けたのが、徳川義直公の好みを反映したともいわれる「上り羊羹」。

日持ちがしないため意外と広く知られていないが、通が知る尾張名物の味を160年以上にわたり伝え続ける。「上り羊羹」は9月下旬〜5月下旬のみ製造、1棹¥2,484、半棹¥1,296。

長寿園の「味噌松風」

京都と名古屋の味が出会った
茶席にたえる2層式蒸し羊羹

1921年、伏見の劇場〈御園座〉そばで創業の後、財界関係者の別荘地だった現在地へ38年移転。「味噌松風」は約60年前、茶人の吉田紹清氏の助言により2代目が考案。

代々の店主が吉田家へお茶の稽古に行くため定休日もやや風変わりになっている。「味噌松風」は9月中旬〜6月のみ製造、1棹¥1,450。

梅屋光孝の「深山路」

伊勢芋の香りにうっとり
枯山に白い雪見る、かるかん仕立て

1897年に本町で創業、新栄を経て、日泰寺の設立に貢献した財界関係者の別荘地だった現在地に1993年移転。2代目が京都の〈塩芳軒〉で修業したため、約50年前に考案された「深山路」をはじめ、抽象的な京風の菓子が多い。

店から徒歩7〜8分で行ける爲三郎記念館内の〈数寄屋 de Café〉では庭を見ながら店の上菓子をいただける。「深山路」は通年製造、1棹¥1,400。