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食べる

黒島結菜、Shingo Suzuki、小林 真、宇佐美陽平 etc.の「自分史上最高カスタード菓子」

仲良く家族と分け合ったり、我慢できず帰り道にたいらげたり。お気に入りのカスタードを聞けば、思い出や人となりまで見えてきます。街のパティスリーから、行きつけの洋食屋まで。カスタードに夢中な人たちに、とっておきを教えてもらいました。

Photo: Tetsuo Kashiwada, Shimpei Suzuki, Kazuharu Igarashi, Kenya Abe / Styling: Shogo Ito / Hair&make: Megumi Kato / Text: Chisa Nishinoiri, Emi Fukushima, Neo Iida, Katsumi Watanabe, Maki Kakimoto

黒島結菜
〈カタネベーカリー〉のスパンダワー

大好きなベーカリーの、至福のご褒美。

私、〈カタネベーカリー〉の大ファンなんです。毎日食べても絶対に飽きないおいしいパンが勢揃いで、値段も良心的。店員さんは皆さん素敵だし、長期でお休みをきちんと取るという、働き方のスタイルも含めて大好き。しかも朝早くからやっていて、本当に尊敬するパン屋さんです。サクッ、パリパリッと軽やかなデニッシュ生地に、カスタードクリームがたっぷりのったこのスパンダワーは、クリームが甘すぎなくて私の好みです。

〈カタネベーカリー〉のスパンダワー
銅鍋で炊き上げるパティシエスタイルの自家製カスタードをたっぷりのせて焼いた、デンマークのペストリー。¥148。
黒島結菜
フリンジトップス¥23,000、タートルネックカットソー¥24,000、スカート¥38,000(以上ラインヴァンド/エムエイティティ info@the-matt.com)、イヤーカフ¥16,500(ノウハウ/ノウハウ ジュエリーTEL:03-6812-9147)

カスタードクリームって、シンプルなのにとても奥が深いんですよね。実は昨年の自粛期間中に思い立って、カスタード作りに挑戦してみたのですが、めちゃくちゃ難しい。卵、牛乳、砂糖、薄力粉を混ぜてとろみをつけるという、すごくシンプルな手順なのに、滑らかに仕上げるのは本当に至難の業だな、と。その点、カタネさんのカスタードは甘さ、軽やかさ、滑らかさ、そのバランスがすごく上手で、改めて惚れ惚れしました。実は甘いものを好んで食べるようになったのは、最近のこと。あまり甘すぎると一口で飽きてしまうことが多いんですが、これは気づけば1個ペロリ。実は、昨日も食べたばかりなんですが、本当に飽きなくて、毎日でも食べたいおやつです。

Shingo Suzuki
〈PAUL 神楽坂店〉のミルフィーユ

デコレーションに頼らない、簡素なミルフィーユ。

15年ほど前、パリのバスティーユ広場の近所に住んでいた時、甘党の私に、友人が〈ポール〉を教えてくれたんです。数あるメニューの中でも、ミルフィーユとの出会いが衝撃で。ほかのお店のものは果物のデコレーションなど見た目が売りになっていて、カスタードは脇役に回っている感じがしました。しかし、〈ポール〉のミルフィーユは、あくまで主役はカスタードクリーム。「シンプルな味を楽しんでください!」というお店やパティシエさんからのメッセージを感じましたね。今は日本国内にも〈ポール〉がたくさんある。小麦粉やバターにこだわっているおかげか、パリで食べた味とほとんど変わりがないと思います。

〈PAUL 神楽坂店〉の ミルフィーユ
カスタードをパイで挟んだシンプル仕上げ。店内¥453(税込み)。Shingoさんいわく、神楽坂店がパリの店舗に一番近いとか。

ヴォーン
〈COFFEEHOUSE NISHIYA〉のカスタードプリン

“目で食べる”を教えてくれるカクテルを表現したプリン。

8年くらい前から通っている〈コーヒーハウス ニシヤ〉は、料理、飲み物、スイーツ、空間、サービス、すべてがグッドバランス。それってとても難しいこと。カフェを営む自分にとって、足を運ぶたびに課題を与えてくれるお店です。美しいプリンは、外が硬めで中がクリーミー。紺色に縁取られたお皿とプリンの相性がまた美しく、ニシヤは「目で食べる」ということを体感させてくれます。「最初見た時においしそうと感じるものは、だいたいおいしいんだよね」と、店主の西谷恭兵さんが言うように、ビジュアルはとても大切。このプリンは甘さがしっかりあるので、コーヒーのストレートが合うと思います。生クリームにはブランデー、カラメルにはアマレットが使われていて、このプリン一つで“フレンチコネクション”というカクテルを表現していると知り、また感動しました。

〈COFFEEHOUSE NISHIYA〉の カスタードプリン
凜とした佇まいのクラシックな硬めプリン。上にのった茶色がかった生クリームがほろ苦く大人の甘さなのは、エスプレッソが使われているから。¥500。
ヴォーンとコーヒーハウス ニシヤの店内

小林 真
〈NATA de Cristiano〉のパステル・デ・ナタ

軽い食べ心地で、あっという間に10個完食。

どの国に行っても、カスタードクリームのお菓子は食べますね。とにかく卵と牛乳が好きで、ルーツは母親の手作りの甘すぎるプリン。あれを超えるプリンには出会ったことがありません。この〈ナタ・デ・クリスチアノ〉のナタは、2013年の開店当初からずっと食べています。僕が絶対に喜ぶから色々な人が店に持ってきてくれるんです。ナタがおいしいので、ほかにはチャレンジせずいつもナタ。このちょっと焦げている苦味がある感じが、ポルトガルを思い起こさせます。パリッとしたパイ皮が焼きたてならでは。10個買って帰り、家に着くまでの間にすべて食べ終わっていることも。6個がちょうどいいような気がします(笑)。

〈NATA de Cristiano〉の パステル・デ・ナタ
焼きたてのポルトガル式エッグタルト、ナタ。¥230(税込み)。

宇佐美陽平
〈パティスリーSATSUKI〉の新メロンパン

サプライズを演出する、特別なメロンパン。

もともと甘いものが好きで、パティスリーにはよく足を運ぶんですが、カスタードクリームのお菓子はいつも無意識に手にとってしまう存在。最近のお気に入りはこのメロンパンです。幼い頃よく両親に連れられて来ていたホテルニューオータニの中の〈パティスリーSATSUKI〉は馴染みの店で、物色してたら「なんだこれ?」って目に留まって。正直、普通のメロンパンは得意じゃないんですけど、これには常識を覆されました。クロワッサン生地とクッキー生地の食感が面白いし、中の豆乳カスタードとメロンジュレがほかにない上品な甘味を生むんです。実家や仕事場に持っていくとみんな驚いてくれて、話題になっていいんですよ。

〈パティスリーSATSUKI〉の 新メロンパン
豆乳カスタードでメロン風味が引き立つ。マジパンとクロワッサン生地、クッキー生地も新鮮。¥900。