黒島結菜
〈カタネベーカリー〉のスパンダワー
大好きなベーカリーの、至福のご褒美。
私、〈カタネベーカリー〉の大ファンなんです。毎日食べても絶対に飽きないおいしいパンが勢揃いで、値段も良心的。店員さんは皆さん素敵だし、長期でお休みをきちんと取るという、働き方のスタイルも含めて大好き。しかも朝早くからやっていて、本当に尊敬するパン屋さんです。サクッ、パリパリッと軽やかなデニッシュ生地に、カスタードクリームがたっぷりのったこのスパンダワーは、クリームが甘すぎなくて私の好みです。


カスタードクリームって、シンプルなのにとても奥が深いんですよね。実は昨年の自粛期間中に思い立って、カスタード作りに挑戦してみたのですが、めちゃくちゃ難しい。卵、牛乳、砂糖、薄力粉を混ぜてとろみをつけるという、すごくシンプルな手順なのに、滑らかに仕上げるのは本当に至難の業だな、と。その点、カタネさんのカスタードは甘さ、軽やかさ、滑らかさ、そのバランスがすごく上手で、改めて惚れ惚れしました。実は甘いものを好んで食べるようになったのは、最近のこと。あまり甘すぎると一口で飽きてしまうことが多いんですが、これは気づけば1個ペロリ。実は、昨日も食べたばかりなんですが、本当に飽きなくて、毎日でも食べたいおやつです。
Shingo Suzuki
〈PAUL 神楽坂店〉のミルフィーユ
デコレーションに頼らない、簡素なミルフィーユ。
15年ほど前、パリのバスティーユ広場の近所に住んでいた時、甘党の私に、友人が〈ポール〉を教えてくれたんです。数あるメニューの中でも、ミルフィーユとの出会いが衝撃で。ほかのお店のものは果物のデコレーションなど見た目が売りになっていて、カスタードは脇役に回っている感じがしました。しかし、〈ポール〉のミルフィーユは、あくまで主役はカスタードクリーム。「シンプルな味を楽しんでください!」というお店やパティシエさんからのメッセージを感じましたね。今は日本国内にも〈ポール〉がたくさんある。小麦粉やバターにこだわっているおかげか、パリで食べた味とほとんど変わりがないと思います。

ヴォーン
〈COFFEEHOUSE NISHIYA〉のカスタードプリン
“目で食べる”を教えてくれるカクテルを表現したプリン。
8年くらい前から通っている〈コーヒーハウス ニシヤ〉は、料理、飲み物、スイーツ、空間、サービス、すべてがグッドバランス。それってとても難しいこと。カフェを営む自分にとって、足を運ぶたびに課題を与えてくれるお店です。美しいプリンは、外が硬めで中がクリーミー。紺色に縁取られたお皿とプリンの相性がまた美しく、ニシヤは「目で食べる」ということを体感させてくれます。「最初見た時においしそうと感じるものは、だいたいおいしいんだよね」と、店主の西谷恭兵さんが言うように、ビジュアルはとても大切。このプリンは甘さがしっかりあるので、コーヒーのストレートが合うと思います。生クリームにはブランデー、カラメルにはアマレットが使われていて、このプリン一つで“フレンチコネクション”というカクテルを表現していると知り、また感動しました。


小林 真
〈NATA de Cristiano〉のパステル・デ・ナタ
軽い食べ心地で、あっという間に10個完食。
どの国に行っても、カスタードクリームのお菓子は食べますね。とにかく卵と牛乳が好きで、ルーツは母親の手作りの甘すぎるプリン。あれを超えるプリンには出会ったことがありません。この〈ナタ・デ・クリスチアノ〉のナタは、2013年の開店当初からずっと食べています。僕が絶対に喜ぶから色々な人が店に持ってきてくれるんです。ナタがおいしいので、ほかにはチャレンジせずいつもナタ。このちょっと焦げている苦味がある感じが、ポルトガルを思い起こさせます。パリッとしたパイ皮が焼きたてならでは。10個買って帰り、家に着くまでの間にすべて食べ終わっていることも。6個がちょうどいいような気がします(笑)。

宇佐美陽平
〈パティスリーSATSUKI〉の新メロンパン
サプライズを演出する、特別なメロンパン。
もともと甘いものが好きで、パティスリーにはよく足を運ぶんですが、カスタードクリームのお菓子はいつも無意識に手にとってしまう存在。最近のお気に入りはこのメロンパンです。幼い頃よく両親に連れられて来ていたホテルニューオータニの中の〈パティスリーSATSUKI〉は馴染みの店で、物色してたら「なんだこれ?」って目に留まって。正直、普通のメロンパンは得意じゃないんですけど、これには常識を覆されました。クロワッサン生地とクッキー生地の食感が面白いし、中の豆乳カスタードとメロンジュレがほかにない上品な甘味を生むんです。実家や仕事場に持っていくとみんな驚いてくれて、話題になっていいんですよ。
