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芸術監督

【3月19日〜30日上演】より大きな宇宙観で、現実を見つめながら。|野村萬斎『子午線の祀り』

“世界のトップランナー”と“音楽の都の保守本流”。

 1882年創立のベルリン・フィルは、ソロでも活躍できるレベルの音楽家がメンバー、コンサートマスター、指揮者まで、既存楽員の投票によって決められるという民主主義、実力主義の組織。その基盤を固めたのは歴代の首席指揮者たちだ。「帝王」と呼ばれたヘルベルト・フォン・カラヤンは、冷戦時代にベルリン・フィルを西ドイツの富の象徴に押し上げ、最先端技術による録音を推進して世界的名声を築いた。続くイタリア人のクラ

川端康成『無言』を描いたアレクサンドル・デスプラの境地。

フランス出身の世界的な映画音楽家、アレクサンドル・デスプラが初めてオペラの音楽を手がけ、先頃その日本公演が横浜と京都で行われた。それは『サイレンス』というタイトルのオリジナルのオペラで、原作はなんと川端康成、演出はデスプラの公私にわたるパートナーのソルレイ、そして演奏はルクセンブルクを拠点に世界的に活躍するアンサンブル・ルシリンが務めたのだが、それは素晴らしい舞台だった。そこで、その公演のために来

日本最古の物語『竹取物語』|小林聡美

 世田谷パブリックシアター芸術監督の野村萬斎が企画・監修を務める「現代能楽集」。古典の知恵と洗練を現代に還元するこのシリーズ第9弾の構成・演出は、フィジカルシアターの旗手・小野寺修二が手がける。過去に小野寺演出の舞台『あの大鴉、さえも』に出演した小林聡美は、「小野寺さんは優しい顔をして、実は厳しい。身体を全力で絞り出す感覚と、集中力と瞬発力が求められます」と明かす。驚きと楽しさを感じてほしいという

ダンスの起源を遡る金森穣の舞踊哲学。|金森 穣

 リハーサルスタジオの空気は見えないベクトルで確実に「ある一点」に集中していた。金森穣が自身の率いるカンパニー、Noismに新作の振付を行うクリエイションの現場だ。「生の火を抱えて」という指示に、懐に空間を保ちながらすり足のような重心でうごめくダンサーたち。アルタイ共和国に伝わるカイ(喉歌)の唸り声が彼らの体を操る呪文のように響く。衣裳デザインにISSEY MIYAKEの宮前義之氏を迎え、創立11

職人気質の男が選んだシーズン3とは。

 近年、アメリカのドラマで『ハウス・オブ・カード陰謀の階段』ほど話題を振りまいた作品はほかにないかもしれない。ワシントンDCを舞台に繰り広げられる復讐劇は、ハリウッド最高のスタッフとキャストを取り揃え、一流映画に匹敵するスケールとクオリティを誇る。だが、『ハウス・オブ・カード』がここまでの社会現象となったのは、むしろその放送形式にある。同作は大ヒットコメディ映画『テッド』などを手がけたMRCという