
東北地方


感覚を最優先してつくった、現場主義のアトリエ。『FARMOON』
茶楼、紹介制のプライベートレストラン、新たな料理を生み出すラボ、そして海外から招いたアーティストが滞在し創作活動を行うフードレジデンシー。料理家・船越雅代さんのキッチンは様々な顔を持つアトリエだ。
賑わう哲学の道からも程近い住宅地。食材を手に入れるべく週に2回は通う大原へのアクセスもよく、ずっと暮らしている左京区で縁あって出会ったのは10年以上誰も住むことなく放置されていた築60年ほどの家。

南方中華料理 南三/香辣里
中国の料理と聞いて思い浮かぶのは、広東料理や四川料理、上海料理などだろう。だが、そのどれにも属さない中国料理店が話題だ。片や湖南・雲南・台南と大陸&台湾の南部の味をコースで、片や中国南部の湖南料理に特化。この夏、中華は南方がキーワードに。

モーラム酒店/Bangera's Kitchen
一口に「日本料理」と言っても、北から南まで、土地に根ざした料理があるのは言わずもがな。インドやタイだって、エリアごとによく食べる食材やスパイス、調理法は違って当然。日本ではまだ珍しい、両国の知られざるご当地料理専門店が登場です。

建築と土木
3重の壁によって囲まれた人間の居住エリアと、その防衛の拠点として壁から突出して築かれた都市の形態は、近世ヨーロッパにおける戦争都市を思い起こさせます。ルネサンス時代は文化の発達によって知られていますが、オスマン帝国の伸張や都市国家同士の対立、民衆蜂起、疫病など、戦乱の絶えなかった時代でもあります。だから都市の形は戦争のエコノミーによって規定され、当時の建築家たちが残した都市のスケッチは、その輪郭

モンティーの「ラープガイ」|平松洋子(エッセイスト)
タイ語が描かれた色とりどりのステッカーに、キッチュなテーブルセット、巨大な扇風機。まるでバンコクの街角のように見えるここは、日本最古の地下街、浅草地下商店会の一角にあるタイ料理店〈モンティー〉の店先。お気に入りのラープガイを前に、平松洋子さんのテンションも上がる。
食文化と暮らしをテーマに、長年アジア各国を取材してきた平松さんにとって、タイ料理は興味の尽きない題材。他国に比べて、非常に特徴的だ

PAPPON KITCHEN
タイに住んだことがあるという、ポルトガル料理店〈クリスチアノ〉の佐藤幸二さん。当時通った屋台の味が忘れられず、タイ料理店を構えてしまった。縁あってやってきたのは、東北部イサーン出身のシェフ。東北地方の料理は佐藤さんも大好きとあって、主役は決まった! 炒め物も和え物も、強い辛味や酸味の奥に、発酵食品の旨味が潜んでいてクセになる。佐藤さんも、発酵させた米を使う肉料理などを作って密かにサポート。個性派

〈味坊〉の「酸菜白肉」
戦前まで祖母が満州に住んでいた影響で、母の得意料理はもっぱら中国料理、しかも東北地方のメニューです。自家製の餃子や東坡肉が日常のおかず。誕生日会で友達を招く日は、大量の水餃子をせっせと包んでくれる、といった具合でした。そして冬場の定番、3日に1度は食べていたのが、豚バラ肉と白菜、タケノコ、モヤシを入れて、食べる直前に酢をかける鍋! 十数年前に〈味坊〉で「酸菜白肉」を食べたときに“あれ? なんだか