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イルマリ・タピオヴァーラ

「残ってきたもの」に敬意を払い自分らしく暮らしたい。

 子供の頃から大工になりたかった。中学生の時に進路相談で教師から、大工もいいけど建築家という仕事があるよ、と教えられ、それだ! と思った。高校は理系に、大学は建築学科に進み、設計事務所勤務を経て独立。それだ、と思って以来今日まで、ほかの職業は考えたこともないという。真っすぐな人だ。昔から車も家具も古いものが好きで、服や道具も「いいものを永く使う」が信条。家に対する考え方も同じで、建築家として手がけ

Mademoiselle Lounge Chair||マドモアゼル ラウンジチェア (1956)

前年にデザインしたピルッカチェアと同様、置くだけで絵になり、どこから見ても美しいのが、タピオヴァーラが作る木の椅子の特徴。座面が広く座高が低めのラウンジチェアは、和の空間にも合う。すっと伸びたスポークが印象的な背もたれは傾斜が強め。体をしっかり預けてくつろぐことができる。アルテックによる復刻版は、環境保護にも配慮。見えにくい部分に節がある木材を使うこともある。

Pirkka Chair|ピルッカチェア (1955)

座ってよし、飾ってよし。アアルトやコルビュジエ、ミースなど多くの巨匠に師事したフィンランドの家具デザイナー、イルマリ・タピオヴァーラの名作。2枚の厚板をダボ組みで繋いだ座面と、小枝が広がるような脚のデザインが特徴。脚の付け根を枝分かれさせて3点で支えることにより、重量の負荷を分散させ、構造上の強度も高めている。コンパクトで軽量だが、座った時の安定感は見事。