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舞台芸術

絵とアバンギャルド。

戦意高揚という明確な使命の下で描かれた戦争画が現れる前、つまり大正から昭和初期に日本の洋画界を席捲していたのは、戦争画とは真逆の、画家の自我を尊重する「主観上等!」な絵画。その背景にはもちろん西洋の芸術運動や芸術思潮があったのだが、中でも大きなトピックは、シュールレアリスムやダダイスムなど、ヨーロッパの前衛芸術に感化された画家が登場したこと。急速な都市化が進み、非人間的な気配が広がる時代にあって、

野性の身体性を揺さぶる、いにしえのアジアの響き。

 日本初の劇場専属カンパニーとして設立10周年を迎えたNoism。その記念公演『カルメン』で、金森穣の構成・演出の力に改めて舌を巻いた。舞踊家たちの鍛え抜かれた肉体を媒介に表現されるその身体言語のボキャブラリーに底知れない可能性を感じたのだ。
「劇的舞踊と呼んでいる物語性の強い作品では、制約でがんじがらめの中、むしろあらゆるツールを総動員して盛り込んでいます。一つ作ると自己否定したくなり、もっとい

ダンスの起源を遡る金森穣の舞踊哲学。|金森 穣

 リハーサルスタジオの空気は見えないベクトルで確実に「ある一点」に集中していた。金森穣が自身の率いるカンパニー、Noismに新作の振付を行うクリエイションの現場だ。「生の火を抱えて」という指示に、懐に空間を保ちながらすり足のような重心でうごめくダンサーたち。アルタイ共和国に伝わるカイ(喉歌)の唸り声が彼らの体を操る呪文のように響く。衣裳デザインにISSEY MIYAKEの宮前義之氏を迎え、創立11