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ウィーン

“世界のトップランナー”と“音楽の都の保守本流”。

 1882年創立のベルリン・フィルは、ソロでも活躍できるレベルの音楽家がメンバー、コンサートマスター、指揮者まで、既存楽員の投票によって決められるという民主主義、実力主義の組織。その基盤を固めたのは歴代の首席指揮者たちだ。「帝王」と呼ばれたヘルベルト・フォン・カラヤンは、冷戦時代にベルリン・フィルを西ドイツの富の象徴に押し上げ、最先端技術による録音を推進して世界的名声を築いた。続くイタリア人のクラ

ナチ弾圧下における、 〝退廃芸術〟作家たち。

 クラウディオ・ポリ監督の『ヒトラーvs.ピカソ 奪われた名画のゆくえ』は、稀にみる知的緊迫にみちたドキュメンタリーだった。これまでどのようなモノ(造本ほか)かが確認できなかったマックス・ノルダウの『エンタールトゥング(退廃)』が登場したことがなによりも価値がある。

〈退廃〉は、ナチが(当時の)現代美術全般に投げつけた罵倒語であるが、その震源の最大のものは、1890年に刊行されたノルダウのこの書

Seated Figure of Summer (1573)|ジュゼッペ・アルチンボルド

 近頃、写真や絵にしても、人物をモチーフにした作品はもちろんですが、「静物」というものが面白いと思うようになりました。モノがヒトのように見える、その瞬間に魅力があるのかもしれません。雑誌やカタログなんかを眺めていると、例えば、腕時計がぴっちりと照明を当てられラグジュアリアスに写っているさまは、化粧品や香水のCMで描き出される艶やかな女性モデルの姿となんら変わりはないのではないか、と。さて、上の絵で

若冲や蕭白も憧れた、 スーパーフリーダムな禅画。| 白隠慧鶴

「むちゃくちゃだけど、うまくもないけど、ダイナミックで面白い絵を描く禅僧がいたらしい」と京都の奇想絵師も噂した。それが永遠の素人画家、白隠慧鶴という男。
 
絵師でも画僧でもない。15歳で出家し、後に500年に一人の名僧といわれた臨済宗の禅僧だ。伝統や技術を重んじる従来の禅宗絵画とは違う自由な「禅画」が生まれた江戸時代中期、ただただ禅の教えを広める手段として、1万点ともいわれる膨大な禅画を描いた。

ロボットが通うAI学校。|川田十夢

 ずっと考えているのは1年生から6年生まで全校生徒を人工知能にして、学校教育をディープラーニングすることです。前段として、人工知能は進化しているのに、教育材料が足りないことが問題になっているという状況があります。学校教育のような段階的な教育をロボットは受けていないので、義務教育を受けてない状態で採用されて、いきなり即戦力にされるんだけど、すぐ「使えない」とか言われて超可哀想なんです。それに対して、

Miznon NYC

 今年1月、チェルシーマーケットに登場して以来、熱狂的な人気を博しているのが〈ミズノン〉だ。主役はピタサンドイッチ。ただし、中身はファラフェルやケバブだけじゃない。トマトで香りづけしたナスのローストにタヒニやゆで卵を添えた「ラタトゥイユ」、トマトサルサ入りの「リブアイ・ミニッツステーキ」、中東のスパイスであるザーターを織り込んだ「オムレツ」など、手の込んだ洗練キュイジーンがピタに収まっているのだか

LEXUS RC

 レクサスの中で最もパーソナルなモデルが「RC」です。エンジンバリエーションは2.5ℓのハイブリッド、もしくは3.5ℓのV6エンジンというシンプルな構成。グレードも標準、Fスポーツ、バージョンLの3つに絞られています。そして、スポーツカーに引けを取らない走りとリッチな空間演出、レクサスらしさは濃厚です。ちなみに「RC」は贅沢なクルマで、エントリーモデルでも565万円〜と、なかなかのお値段。もちろん

214(1859)

木の椅子の歴史において、最もたくさん製造され、最もたくさんの人々から愛されたのはおそらくこの椅子。そして最もたくさんコピーされた椅子かもしれない。ミヒャエル・トーネットが1859年に発表したNo.14、現在の214は工場で量産された最初の椅子として知られる。この椅子が革新的だったのは、蒸気で熱して軟らかくしたブナ材を金属の型にはめて成形する曲げ木技術によって、主要なパーツを製造したこと。6点の木の

ニコラス・ローグの自伝に触発され…。

 前回に映画監督ダニー・ボイルの語り下ろし本を紹介しましたが、この監督がもっとも尊敬する監督がニコラス・ローグです。ローグについてボイルは次のように語っていました。
「ローグの作品はアートであり、ひどく挑発的ななにかである。すべてに理解が及ばずとも、彼の作品には本能的に魅せられてきた」
 ミック・ジャガーを起用しての監督処女作『パフォーマンス』(1970)、ヴェネティアを迷宮として、またゴシックの