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日常生活

本来はみな道具、「わだば平安と生きる」。|杉本博司

 現在では蒐集専業だが、現代美術作家の杉本博司さんは、民藝から始まって、仏教美術や神道美術の優品を美術館へ納めるほどの古美術商をNYで営んでいた、いわば骨董のプロ。だから本来道具として作られたそれらは人に使われてこそ、つまり茶碗なら茶を点て、仏像なら拝まれることで、伝世の味わいが増すとよく知っている。
 古典へのリスペクトが深く、時に平安原理主義を標榜する杉本さんのコレクションの中で、日常生活での

VAN+BIKE CAMPING

 2台の自転車を載せたクロームイエローの「Volvagon」ワゴンが、大自然に囲まれた田舎道を太平洋へ向けひた走る。ミノとディーンのカップルが乗った車が目指すのは、オレゴン・コーストの北部に位置するケープ・ルックアウト州立公園キャンプ場。西海岸で最も美しい海岸と称されるオレゴン・コーストは、薄い霧に包まれたような岩場、荒波が打ち寄せる岬、そしてどこまでも歩いていけそうな遠浅の砂浜と、いくつもの表情

両親の仕事している姿がそばにある、「書く」ことが自然な環境で育つ。|小林エリカ

 書くことと描くこと。どちらも、ご飯を食べることや息をすることと同じくらい身近なものとして日常生活の中にありました。父は精神科医だったのですが、私が生まれた頃に病院を辞めて家で執筆活動に専念し始めました。フロイトの研究が主な執筆テーマでしたが、両親ともにシャーロキアンで、シャーロック・ホームズの翻訳や関連書を手がけたり、エッセイの執筆などをしていました。一応書斎もありましたが、基本的にはキッチンや