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【長野、仙台、大阪、小倉、津、そしてケニア。】そして、誰も皆無口で、ウガリを◯◯した。

芝居の巡業で、長野に行き、仙台に行き、大阪に行き、小倉に行き、三重の津にまで行った。「どこ行くの?」「津」。発するのに一秒かからないスピード感に満ちたこの町には、その名前にふさわしく一日しか滞在しなかった。芝居後、食べ歩きをする元気もなく、津の夜は終わったのだった。その土地に旅して、その土地のものを食えない。それは虚しい。仙台では牛タンを食べ、長野では蕎麦を食べた。津には、なんの思い出も残らなかっ

夜あるく木

「慰謝料よこしなさいよ」という段になり
「残念ながら金などないのだよ」というと
「そんなことはとっくに知ってらあ」と
最初の人は耳を引っぺがして持っていき
つぎの人はまぶたを
つぎの人は膝小僧を持っていった

それからというもの
私の名を呼ぶ声は聞こえず
どんな夜にも目を伏せることができず
棒になってしまった足を引きずりながら
緑道沿いの散歩に出るのだが
犬を連れた健康的な恋人たちを目にして
いま

とおくの女たち

いつだったか私の女になり、2016年には昔の女になり、2017年には誰かの女になり、2018年には誰かの妻になり、2019年は誰かのお母さんになっている。ただ淡々と、そんな風に過ぎていくことが骨身にしみるようになってきたなら、あらゆる責任から離れて生きるこの暮らしも少しずつくたびれてきているということなので、私は針と糸でつくろうのだが、いっこうに縫い閉じることができないでいる隙間風。

「アーディザナル」とはクラフツマンシップに根ざしたもの。

初の「アーティザナル」メンズショーの発表とともにローンチされた、メゾン マルジェラが発信するPodcast。
'THE MEMORY OF...With John Galliano'と題したこのPodcastシリーズより、本誌では掲載しきれなかった、ジョン・ガリアーノが語る「アーティザナル」メンズコレクションのエピソードの和訳全文を掲載。

'THE MEMORY OF...With John G

神戸のアトリエ

二階の部屋に置かれた
わずか五枚の絵のせいで
部屋の床はたわみ
底が抜けてしまいそうだった
試しに一枚を持ってみると軽いのだが
眺めていると いやに重ったるい

五枚のキャンバスに
閉じ込められているのは
同じ男の顔だった
南米、パリ、ローマ
スペインのラマンチャ
諸国を旅して 探して 見つけたのも
同じ男の顔だった

その後も男は自画像を描き続け
パレットの裏にひとこと書き残して
酒に酔った車の

ナイロビのコーヒー

高校時代、親元を離れて寮生活を送っていた。寮生の出身地は様々で、国内だと北は北海道、南は沖縄まで。親の仕事の都合で海外で育ち、ひとりで日本に戻り寮生活を送っている生徒も少なくなかった。そういった寮生たちのほとんどは、やってきた都市の名があだ名になっていて、ジャカルタ、ナイロビ、ロンドン、上海など、これらは全てクラスメートのあだ名だ。夏休みが終わると、それぞれに地元のお土産を配ったりする。隣の部屋の

ビジュアルコミュニケーションに最適なジラードのカードゲーム。| 上田壮一 (Think the Earthプロデューサー)

色鮮やかな柄と愛らしいイラストがちりばめられたカードたち。これは、アレキサンダー・ジラードが手がけたテキスタイルやグラフィックが使用されたメモリーゲームだ。上田壮一さんの息子・恒太くん(5歳)が生まれる際、友人からいただいたものだという。久々に取り出して遊んでもらうと、3戦2勝で恒太くんの勝ち。やはり子供は強い。

「僕はもともと絵本が好きで300冊くらい持っているんですが、このメモリーカードも僕