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延床面積

藤森照信

都内港区のマンションの一室に、藤森ワールドが全開している。床・壁・天井はすべて同じ仕上げで、全面にクリの板が張られている。その中に、過剰なまでにつくりこんだ家具。どこか生き物のようなそれらの家具は、まるで楽しげに集い語らっているかのようにも見える。
 これまで屋根に木を植えたり、外壁を草でこんもり覆ったり、高すぎる柱の上に茶室をつくったり、独自の建築表現で世のほほえみを誘ってきた藤森照信さん。実は

中央アルプスの麓 に建てた山小屋風の家と、ガラス工房。

「300以上の土地を探し回って、ようやく見つけたのが、この場所です」
 吹きガラス工房〈スタジオプレパ〉の平勝久さんと瑞穂さんが工房と自宅を建てたのは、長野県南部の中川村。360度どこを見てもアルプスの山と広い空。古い梨畑が広がるのどかな環境だが、車なら名古屋から1時間、新宿から2時間という便利な場所でもある。 
 2人がこの土地を選んだのは6年前。
「僕たちが作っているのは、1100℃以上の溶解

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 旭川市街から車で30分ほどの水田地帯にポツンとある巨大な白い建物。一見、RC造の四角い箱。だが近づいてみると、うっすら現れる白い木肌。さらに建物の4辺には角がなく、円形フォルム。建て主が「家の前を通る車が必ず減速する」と語る象徴的な建物は、れっきとした木造住宅だ。
「この場所に角の尖った建物は違うかな、と思ったんです」と、設計した建築家の五十嵐淳さん。
 もともと建て主の妻の実家が所有する広大な

HOUSE H

 真っ白い“おうちの形”をした家。中に入ると、Yの字の柱がいくつも立っていて、“枝”
のところに2階の床が引っ掛かっているという仕組み。2階の床は大きさも位置もばらばら。たくさんの魔法の絨毯が森の木の枝にのっかっている、という風情だ。柱にはときどき壁も付いている。
 建て主の樋口さん夫妻は台所が中心にあって、家族の気配が感じられる家に住みたいと思っていた。玄関を開けるとすぐ台所になっていて子供が帰

八郷の家

 一番身近にある材料で建てるのが家の基本だった昔を紐解いてみれば、ここはまるで原点に立ち返ったような家だ。
 茨城県石岡市、かつて八郷町といった集落の、山の中に立つ。実はこの家、建材にした材木の3分の2は、もともとこの敷地に生えていたスギやサワラである。約1000坪ある敷地には沢もあり、一日中きれいな水の流れる音だけが響いている。わずかな平地を拓いて建てた家は、建築面積約27坪。
 建て主夫婦は

360°

 小屋がいくつか、大屋根の上下に入っている。建築家、納谷新さんの長年の構想が実現した自邸「360°」はそんなコンセプトから造られている。納谷さんは何年も前から時間があるとスケッチをしていた。敷地はスケッチ通りの家が建てられる場所を探して、見つけたものなのだそう。
 この家では「なるべく編集するのをやめることにした」と納谷さんは言う。きれいに揃えたり、仕上げたりするのをやめた、ということだ。住宅に限

扇の家

 基形の敷地いっぱいに建てられているから「扇の家」。この家が木造になったのは鎌倉の歴史と深い関係がある。
「この家の前にある坂は鎌倉に入る関所だった要所。当時は遊廓や茶屋があり、この敷地からも茶碗などが出てきたんです」と設計者の眞田大輔さん。
 こういった歴史的遺物が出土すると重要なものは博物館行きとなるけれど、さほど重要ではないものは調査・記録したあと、元の場所に埋め戻す。そのため、基礎を深くま

テントの家

 木の家は数あれど、ここまで開放的な家は珍しい。鉄やコンクリートの構造に比べ一般的に、木造は大開口や大空間が作りにくい。開放感と木の空間の両立にはハードルがあるのだ。
 建て主が住宅に求めたのはずばり開放感だった。夫妻は山や緑が好き。家を建てるならシンプルで景色を存分に楽しめる開口部の広い家にしたいと、何日も推敲を重ねたメールとともに、心地よいオープンな住宅の名手として名高い手塚建築研究所に設計を

城山の家

 山小屋か工房のような家に住みたい。ワンルームでざっくりしていて、必要最小限のものしかないシンプルな家。家の中から土いじりできる庭が眺められて、その庭と一続きになる広めの土間もあればいいな。建て主の荒木岳志さんが住みたいと思っていたのはそんな「木の家」だった。学生時代、木工をやっていたから木にも馴染みがある。
 この家のいいところは何でも融通が利くところ。2階建てだけれど、2階の床は一部しか張って

Tree House

 “大きな一本の木があり、木の下に人が集まれば、それが一番よい学校になる”と語ったのは、アメリカの建築家ルイス・カーン。無条件で安心できる大樹の木陰のような場を作れば、それが一番よい住居になる  というのが「Tree House」だ。
 キャベツ畑や古い神社が残る東京郊外の住宅地。周囲を建物に囲まれた50坪ほどの旗竿敷地にこの家は立っている。住み手は、建築関係の仕事につく夫と妻と2歳の長男。6年前