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焼き菓子

Kinonedo|中里萌美

 〈きのね堂〉のお菓子がおいしいよ、と教えてくれたのはとある人気菓子店の店主。食べてみると油脂に頼らず、焼きのしっかりした、とても力強いクッキーだった。
 都内のマンションの一室で、〈きのね堂〉こと、中里萌美さんは一人黙々とお菓子を焼いている。食育が盛んな高校に通い、農業や自給自足に憧れたこともあったが、「自分が選んだ素材と向き合いながら、一人でお菓子を作るのが性に合っている」と、この形。
「何も

LE CAFÉ DU BONBON|久保田由希

 生徒の手元に不審な⁉動きを見つけると、すかさず、“あ、そこ”と駆け寄る。当の生徒は“先生、厳しいんですよ”とこぼしつつ、楽しそうだ。久保田由希さんは、かつてブームを牽引した人気カフェなどでお菓子の開発や製造を担当していた。が、次第に「食べ手の顔が見えなくなって」始めたのが、教えること。自分のお菓子への反応が直に伝わるのがうれしくて、気がつけば14年。教室はすぐに満員になってしまうが、いまも少人数

近江屋洋菓子店

店内に焼き菓子の甘い香りが立ち込めている。開店前の〈近江屋洋菓子店〉。出来たてのチーズケーキやシュークリームが次々にリフトから下りてきて、ショーケースに並んでいく。2階にある厨房から作りたてが届くのだ。カウンター奥の調理場ではポテトサラダや野菜を丁寧に挟みながら、職人さんが急ピッチでサンドイッチを仕上げている。季節のフルーツがたっぷりのったカップケーキやタルト、定番の「苺サンドショート」がショーケ

Sunday Bake Shop

 店主の嶋崎かづこさんいわく「仕込みに1週間かかるから週に1度しか開けられなかった」初台名物〈サンデーベイクショップ〉。開店8年でスタッフも増え、営業日は3倍になったが、開店前からお客が並ぶ混雑ぶりは相変わらず。
 店の半分を占めるのは、お菓子屋さんには珍しいオープンキッチン。目の前で焼き上がるお菓子が買えるライブ感が、ここの最大の魅力だ。
「パティシエよりベイカーと呼ばれたい」という嶋崎さんが作

〈PATH〉のサバラン

 朝から夜まで自由に使えるスタイルと自家製の味で人気を博すレストラン〈PATH〉。仏・ロアンヌ(2017年ウッシュに移転)の3ツ星〈メゾン・トロワグロ〉でシェフパティシエを務めた後藤裕一さんが、開業時から力を入れているのが「ウィークリーベイク」と題する
期間限定の焼き菓子だ。「伝統の味の再構築はライフワーク」と、洋菓子の定番をグランメゾンで磨いた技術と今の東京だから生まれる感性で提案。チーズケーキ

〈Afterhours〉のクッキー缶

 グッドデザインな缶の中に、色とりどりのクッキーやフロランタン、メレンゲ菓子がぎゅぎゅっと10種。〈Afterhours〉横田愛さんが作るクッキー缶は、12㎝角のミニチュアサイズが新鮮だ。通販専門で始めた店が瞬く間に人気を博し、工房を改装して2010年にショップをオープン。駅から歩いてすぐながら人目を避けたようなロケーションは、そんな店の成り立ちゆえ。
 日持ちがする焼き菓子を詰め合わせたクッキー

オフィス街に憩いをもたらす洋菓子店。|田村町 木村屋

 都営地下鉄内幸町駅のA2出口の目の前。新橋駅からなら外堀通りを真っすぐ虎ノ門方面へ4分ほど歩くと、慎ましいガラス張りの間口の〈田村町 木村屋〉がある。窓には、金文字で「創業明治33年」とある。入口横には昔ながらのタバコ屋のような小窓があり、ショーケースに焼き菓子が並んでいる。スマホ片手に地下鉄を駆け上がってきたサラリーマンが店先でマドレーヌをささっと買い、駆け足で信号を渡る。なるほど、こういう心

BREADS BAKERY

NYではここ数年、ちょっとしたバブカ・ブーム。ジューイッシュの焼き菓子バブカは、多くのNYっ子にとっていわばソウルフードで、親戚の集まりにはコーヒーとバブカ、特にチョコを練り込んだチョコレートバブカは欠かせない。
 子供の頃から馴染み深い、素朴な伝統菓子バブカが突如トレンディなスイーツとして脚光を浴び始めたのは、ユニオンスクエアにオープンした〈ブレッズ・ベーカリー〉がきっかけだ。
 これをチョコレ

Mesdemoiselles Madeleines

 紅茶に浸して頬張る一口のマドレーヌの味が子供時代の記憶を呼び起こす、マルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』。それくらい伝統の焼き菓子マドレーヌは、フランス人の記憶に根ざす家庭の日常菓子だった。が、今では家でマドレーヌを焼くママも少なくなり、ちょっと古風なイメージが定着。そこで、このお菓子を21世紀に蘇らせようと一念発起したのが、この店の店主スティーヴ・セレメスさんだ。
「お洒落なケーキ