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アラスカ

「鮭が森をつくる」@東北。日本の自然を改めて学ぶ。|坂本大三郎

『イニュニック』に書かれていた「サケが森をつくる」という北米先住民のことわざが、長く僕の心の片隅に残されていた。アラスカでは川で生まれ海へ下っていた鮭が、秋になると故郷の川を遡上し、それを狙って熊が森の中から現れるという。熊に食べられた鮭は糞となって森に還り、木々の養分になっていくのだろう。
 昨年秋に北海道を訪れ、羅臼の川を遡上する鮭と、それを食べに来る熊の様子を目の当たりにして、遠い世界のよう

写真の内から外へつながる「時間」と「空間」。|森泉岳土

 父の書棚で星野道夫さんの写真集を見つけた3年後、高校2年生の夏休みに、父の友人を訪ねてアラスカへ行きました。初の海外、初めての一人旅。16日間でデナリ国立公園、ポーテージ・バレー、バルディーズ、コロンビア・グレイシャーなど夏のアラスカを回りました。初めてなのに、不思議と未知の場所に行くような気がしなかったのは、星野さんの写真を見ていたからだと思います。
 印象に残っているのは、雪原に列をなすカリ

雑誌・広告などで活躍。20歳の時、第18回写真ひとつぼ展グランプリを最年少で受賞。写真集に『ビルに泳ぐ』など。

 19歳の星野さんが何度もめくっていたアラスカの写真集。その中に特に好きな写真がありました。シシュマレフという小さな村の空撮写真。ベーリング海と北極海がぶつかる海域にある島でした。その村を訪ねたいと思った星野さん。住所も何もわからないまま、「シシュマレフ村 村長へ」とだけ宛名を書いた手紙を投函します。
「何でもするからどこかの家においてほしい」と。その半年後、「歓迎します」との返事が届きます。これ

外の世界へ向けられたポジティブなまなざし。|渡辺貴生

 ザ・ノース・フェイスを担当してしばらく経った頃、「面白い写真家がいる」と知人の編集者に紹介されたのが星野さんだった。
 彼は僕より6歳年上だったけれど、人懐っこく、超がつくほどおっちょこちょいな人だった。1ヵ月にも及ぶ北極圏での単独撮影でテントを風に飛ばされて、揚げ句、川に流されちゃったとか、真冬にアラスカの自宅でロックアウトされて、危うく凍死しそうになったとか。数々の失敗談を愉快そうに話してく