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90年代

映画で辿る、東京ノスタルジー。

 1983年、ドイツ人監督のヴィム・ヴェンダースは、ドキュメンタリー映画『東京画』を撮ろうと思い立つ。テーマは、敬愛する小津安二郎の映画のような風景が、東京にまだ残っているかを検証することだ。しかし、彼の目に映ったのは、小津のそれとは似ても似つかぬ、混沌とした東京の姿だった。本作を今観ると興味深いのは、そこにもまた失われた東京が記録されていることである。歴史を遡れば、初めて東京がフィルムに収められ

名建築で辿る、大阪の100年史。

味のあるレトロビルから最新の建築まで、なぜ大阪にはさまざまな年代の名建築が存在しているのだろう? 建築史家の倉方俊輔さんに教えてもらった、都市構造と、近現代の名建築から見える、大阪の100年史。



 大阪はカオティックな街だと思われがちですが、都市構造は明快です。ベースは豊臣秀吉による碁盤の目状の街割でした。近代に入り、政治、産業、交通手段の変化に合わせて新たな建築が造られ、街の造りも変化し

「80年代」的美学を否定したレニクラの「90年代」。

 半年ほど前から文藝春秋digitalで、『90's ナインティーズ』という半自伝的小説を執筆・連載しています。

 物語の主な舞台は、1995年。東京・下北沢のライブハウス〈CLUB Que〉。実際に出会ったサニーデイ・サービス、N.G.THREE、エレクトリック・グラス・バルーン、PEALOUT、Pre-School、WINO、PENPALSなどなど、先輩バンドや同年代の仲間たちとの想い出をフ

クラシックの入り口は意外と近くに。

300年以上も前に作られた音楽が、時を超えて今なお数多くの音楽家によって演奏され、世界中のファンを魅了している。クラシック音楽ほど壮大で、ロマンのある音楽はきっとないのでしょう。音楽好きが最後に行き着く先、と言われても納得がいきます。それだけに、どこか手が出しづらい……、何から聴いたらいいのか分からない……、ちょっと身構えてしまいます。けど、実は、僕たちの生活のあちこちに、クラシック音楽の入り口が

言葉選びなら崎山くんか千鳥か。|佐久間宣行 → 崎山蒼志

 佐久間です。今回のゲストは、デビュー時から僕もリアルタイムで追いかけている、ミュージシャンの崎山蒼志くん。『日村がゆく』での演奏には、圧倒されました。ギターのうまさはもちろん、歌詞が素晴らしくて。一つ一つは平易な言葉だけど、見たこともない組み合わせで独特の世界観になっている。ちょっと強引ですが、ダサいジーンズを「大ふとカチカチストレート」みたいに斬新に表現する芸人の千鳥とも通じる気がしたので、A

【5月23日開催】『おうちでパンダ音楽祭』に曽我部恵一、奇妙礼太郎、関取花、眉村ちあき、Wyolicaが出演、会場は“あなたのおうち”

 今週末、5月23日(土)に上野公園野外ステージで開催を予定していた音楽イベント『第9回パンダ音楽祭』が、名前を『おうちでパンダ音楽祭』に改め、オンラインで開催されることになった。
 同フェスはパンダで有名な上野公園の中にある野外音楽堂で、2012年から開催。アーティストの弾き語り演奏がメインで、幕間では落語、タンバリン芸人など個性的な面々が登場してきた。このフェスが他のフェスと異なるのは、“飲食

【話題の映画】文学好きの青年が映画に出会い、撮影監督になった理由とは。|小野山要

 いま、世界の注目を集めるパリ在住の日本人がいる。2019年カンヌ国際映画祭に選出されたアルジェリア=フランス合作映画『Abou Leila』や、グラミー賞で2部門を獲得したDua Lipaの新曲「Break My Heart」、UKグライムシーンを席捲するラッパー、Stormzyの「Vossi Bop」のMVで撮影監督を務める小野山要さんだ。映画業界からも引く手あまたで、手が何本あっても足りない

【近日公開】『ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩(Ballad)』が待ち切れない。

世界中のジャズファンやオーディオマニアがこぞって詣でる聖地が、岩手県一関にある。〈ジャズ喫茶ベイシー〉。今年オープン50周年を迎えるこの老舗ジャズ喫茶に20世紀から通い詰め、ついにはドキュメンタリー映画を撮影してしまったバーのマスター、それが今日の主役の一人、星野哲也。そしてもう一人の主役はご存じ亀山千広。『踊る大捜査線』をはじめ数々のメガヒット映画を製作してきた大プロデューサーにして星野のバーの

【BRUTUS.jpだけの居住空間学】プロインタビュアー・吉田豪の360°タレント本に囲まれる部屋

今回の『BRUTUS.jp』オリジナル記事は、本誌とは少しだけ目線を変えて、“特異”な「居住空間学」を持つ、住まい手に話を聞いてきました。
整えない、整わない(?)。集めに集め、集まってしまった、本、本、本……。足の踏み場がどんどん駆逐されていく。
訪れたのは、アイドル、俳優、プロレスラーから政治家まで、数々の著名人を取材、徹底的な下調べから「本人よりもその人に詳しい」と称される、プロインタビュア