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【話題のファッション】平野太呂と阿部健、2人の写真家による新しいプロジェクト。

 受注仕事ではなく、自分から発信して何かを販売することを常々考えていたフォトグラファーの平野太呂さんが、自粛要請という、現場に立つことが求められるフォトグラファーには厳しい状況の中で新しいプロジェクトを立ち上げた。写真集よりも、もっと気軽に手に取ってもらえるものを、と考えたのがフォトTシャツ。かつてのアシスタントでもある、盟友の阿部健さんに声をかけた。

「バンドがライブでTシャツを売るようなノリ

【近日公開】『ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩(Ballad)』が待ち切れない。

世界中のジャズファンやオーディオマニアがこぞって詣でる聖地が、岩手県一関にある。〈ジャズ喫茶ベイシー〉。今年オープン50周年を迎えるこの老舗ジャズ喫茶に20世紀から通い詰め、ついにはドキュメンタリー映画を撮影してしまったバーのマスター、それが今日の主役の一人、星野哲也。そしてもう一人の主役はご存じ亀山千広。『踊る大捜査線』をはじめ数々のメガヒット映画を製作してきた大プロデューサーにして星野のバーの

どうしてみんなグレン・グールド好き?

「グールドって難しくて、迂闊に好きって言っちゃうと余計なものがいろいろ付いてくるんですよ、スノッブとかオシャレとかね」

 グールドは好きですかという直球の質問に、原摩利彦はおかしそうに、でもちょっと困ったような顔で答えた。たしかにグールドという記号はある時期イケメン男子のアクセサリーのようだったし、一般名詞化した「グールド好き」は原のような音楽家ならなおのこと、口にしづらいに違いない。それでも原

“世界のトップランナー”と“音楽の都の保守本流”。

 1882年創立のベルリン・フィルは、ソロでも活躍できるレベルの音楽家がメンバー、コンサートマスター、指揮者まで、既存楽員の投票によって決められるという民主主義、実力主義の組織。その基盤を固めたのは歴代の首席指揮者たちだ。「帝王」と呼ばれたヘルベルト・フォン・カラヤンは、冷戦時代にベルリン・フィルを西ドイツの富の象徴に押し上げ、最先端技術による録音を推進して世界的名声を築いた。続くイタリア人のクラ

映画が伝えるレイシズムの過去、そして現在。

 世界がグローバル化する一方で、皮肉なことにレイシズム(人種差別)が様々な形で顕在化するようになった。ソーシャルメディアにおいても、レイシズムに端を発したヘイトスピーチは後を絶たない。そして、それが現在の新型コロナウイルスによるパンデミック下の世界において、ますます苛烈さを増そうとしている。

 映画も、今から100年以上前に製作されたD・W・グリフィス監督による無声映画の傑作『國民の創生』の頃か

都市の家に、洞窟のような安心感と悦楽を。|【北嶺町の家/竣工1971年】室伏次郎

「20代の頃から、中世のロマネスク教会に憧れていた。人の力で石を積んでつくられた教会は、規模も空間のスケールも穏やかで、あの温かさや安心感が都市の家には必要だと感じていたんです」

 建築家の室伏次郎さんによる自邸〈北嶺町の家〉は、1971年に竣工した都市型住宅である。室伏さんの師は日本を代表するモダニズム建築の実践者、坂倉準三。そのアトリエから独立して1年後に発表したデビュー作だ。東京都大田区に

【音楽を聴いて旅気分】野村訓市が選ぶ、「ヒッピーの聖地〈ビック・サー〉へ向かう車で聴きたくなる」プレイリスト

『BRUTUS』の特集「いつか旅に出る日。」(914号)で、アメリカ・カリフォルニア州にある〈ビック・サー〉の取材を行った野村訓市。
〈ビック・サー〉とは、荒々しい海岸線と大きな森林に囲まれた、小さなコミュニティのこと。かつてビートニックの作家たちは“その大自然”にインスピレーションを受け創作し、彼らの作品を愛読するヒッピーたちはこの場所に憧れを抱いた。
目的地には、サンフランシスコからロサンゼル

今年流? スポーツの楽しみ方。

 スポーツがない春は、退屈で、さびしい。

 昔、古今亭志ん生が「落語ってのは、なくっても、なくってもいいもの」と言っていたそうだが、これは逆説的な物言いで、落語が人生の潤いには欠かせないことを表現した至言。スポーツだって、同じだよな……としみじみ感じた。

 こんなときはどうするか? こういうときこそ、本やドキュメンタリーを漁って、スポーツの「旅」をしましょ。

 まず、マイケル・ルイス。この人

SOMEWHERE, SOMEDAY いつか旅に出る日。

旅の動機はさまざまです。誰かの話に耳を傾けたり、一枚の写真に心を揺さぶられたり、映画の一シーンに魅せられたりと、いつか行きたいという思いが募っていく。思い立つ時、旅はすでに始まっているのです。いつかどこかで理想の人と出会いたいと願うように、本当に行きたい場所を探す。そこにいるだけで心が満たされるピースフルな場所。旅に行きたいと思うことは、平和を願うことと同じ欲望なのかもしれません。SOMEWHER