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カトリック

聖地を目指して無心で歩くスペイン巡礼の旅。|神田松之丞

 数えたら365日のうち360日働く休みのない生活。好きなことなので苦ではない。むしろ楽しい。ただ、二ツ目になりたての頃、同期とアジア各国へ足を延ばしたような自由気ままで開放的な時間はもう味わえないと諦めていた。そんな折、結婚することになり最後の長期旅行だと妻と一緒に選んだのが、カトリックの聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼。ひたすら歩いた2週間。疲労で体はガタガタだけど、無心になり自分

静けさに満ちた修道院での四季を追う。

 題名の通り、とても静かな映画だ。上映時間は169分、決して短い映画ではない。けれど、修道士たちの一日と移り変わっていく季節を追ううちに、いつの間にか映画は終わっている。『大いなる沈黙へ』はフランス・アルプス山脈に立つグランド・シャルトルーズ修道院での日々を記録した映画。自給自足、小さな房で孤独に過ごし、必要なこと以外の会話は日曜日の午後にしか許されない、厳しい戒律を守っている修道院だ。フィリップ

恋愛や結婚に何度失敗したって大丈夫。|高橋源一郎 × 橋本麻里

橋本麻里 どれから行きますか?
高橋源一郎 まずは『死の棘』から。島尾敏雄さんの私小説ということになりますが、僕が思うに世界文学史上最もひどい私小説。そしてもし日本の小説を何か1冊だけ紹介しろと言われたらこれを挙げる、という作品でもあります。
橋本 そもそも彼は戦争中、特攻隊の隊長として奄美の加計呂麻島に派遣され、島長の娘と恋に落ちるんだよね。それが妻のミホさん。
高橋 島の人にとって島尾さんは、