キーワード

帝国ホテル

前の日の夕飯は忘れても、おやつの内容は覚えている。|山本康一郎

 いつもおやつをいただく前から興奮してるんだよね(笑)。しかも僕、糖尿病だからさ。糖尿の人にとってのあんこや甘いものって、普通の人にはわからないくらいの旨さなんだよ。甘いものを控えて、我慢して我慢して、ここぞという時にいただくんだから、それはそれは興奮状態なわけ! 甘いものは昔から好きだけど、大人になってから、さらに好きになったかもしれない。だから病気になったんだと思うよ(笑)。かつては〈トップス

暮らしの実験から始まった、成長する家。

 心の住宅街にふと現れる、コンクリート打ち放しの建物。黒いスチールサッシで引き締められた姿は清冽で、築60年以上経つとは、にわかには信じがたい。
 建てられたきっかけは雑誌『モダンリビング』の企画「ケーススタディ・ハウス」だった。このタイトルにピンとくる人も多いはず。そう、1940年代のアメリカ西海岸で始まり、チャールズ&レイ・イームズら錚々たる建築家が参画した実験住宅プロジェクト「ケース・スタデ

シャツとアクセサリー|垂水ゲン

 シーズンごとに生み出される“永遠の定番”、クローゼットに溢れる“一生もの”……「おしゃれな世界とはそういうもの」と臆面もなく嘯く者でさえ、口を噤んで“襟”を正すほかないかもしれない、この一着の白シャツの前では。
 そして、この圧倒的な存在感を湛えたシャツの主である垂水ゲンさん自身、そこに込められた思いを多く語ることはない。ただ短く「絶対、捨てることはできないので」と言い切った、その言葉の重さと深

御迎人形

 1000年以上の歴史を持つ、浪速の象徴であるお祭り『天神祭』。祭りの様子は、豪華ゲストがさまざまな見どころから生中継する力の入ったテレビ特番になるほど。そんな浪速っ子には欠かせない風物詩のクライマックスが、大阪天満宮から御神霊が船で御旅所へ向かう「船渡御」。かつて、この船渡御を迎えるために各町が思い思いに飾りつけた船で先導していました。先導船には、「御迎人形」と呼ばれる浄瑠璃や歌舞伎の登場人物を

〈帝国ホテル パークサイドダイナー〉の「1ドル銀貨パンケーキ」

 子供の頃、家族でお茶をする時には帝国ホテルを訪れることが多く、当時「この小さなパンケーキは、小さな私のために特別に小さく焼いてくれているのだ!」と信じていたものでした。少し塩気のあるホイップバターを一枚一枚にべったりと塗り、メープルシロップを吸わせて、ちまちまいただきます。このパンケーキは、メープルシロップとバターのハーモニーを楽しむための理想型なのです。かつて一緒に行っていた歌舞伎好きの祖母も