
目に見えないものに惹かれてしまう謎│選者 小林エリカ(漫画家、作家)
キュリー夫妻が生きた時代背景や核物理、生物など幅広い事象をアートと写真で表現した本。「夫妻の日常から現代に至る放射能の影響までがひとつながりに描かれているのが素晴らしい」。国書刊行会/5,600円。
キュリー夫妻が生きた時代背景や核物理、生物など幅広い事象をアートと写真で表現した本。「夫妻の日常から現代に至る放射能の影響までがひとつながりに描かれているのが素晴らしい」。国書刊行会/5,600円。
福岡伸一 小林さんはキュリー夫人をテーマに執筆されていますが、今日の議題は物理学? 私の専門は生物学ですが(笑)。
小林エリカ 今日ぜひお話ししたいと思っているのは「見えないものを見る」というテーマなんです。放射能について調べていく中で強い印象を受けた話があって。それはラジウムを発見し、世界で初めてそれを目に見える形で取り出したキュリー夫人がそれを「妖精の光」と呼んで、毎晩枕元に置いて眠っていたと
小林エリカ/作家、マンガ家
『マダム・キュリーと朝食を』で第151回芥川賞候補に選出された小林エリカさん。異なる時間、空間を行き来しながら、放射能という見えないものの存在を問いかけた異色の作品は、文壇に新しい風を吹き込んだ。その個性的な作風の源は「日記」。いつか、誰かが記した過去の日々の記録が、物語の始まり。
書くことと描くこと。どちらも、ご飯を食べることや息をすることと同じくらい身近なものとして日常生活の中にありました。父は精神科医だったのですが、私が生まれた頃に病院を辞めて家で執筆活動に専念し始めました。フロイトの研究が主な執筆テーマでしたが、両親ともにシャーロキアンで、シャーロック・ホームズの翻訳や関連書を手がけたり、エッセイの執筆などをしていました。一応書斎もありましたが、基本的にはキッチンや
人間から時間を奪う「時間どろぼう」から町の人々を守る少女モモが活躍する名作『モモ』。その作者の実像に迫る『ミヒャエル・エンデが教えてくれたこと』刊行を記念し、大ファンであり友人の2人が「冬のこたつ読書」対談!