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成瀬巳喜男

女の神秘を描き出す現代の名匠。|アブデラティフ・ケシシュ

 女たちによる激しい愛の物語『アデル、ブルーは熱い色』で、カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)を受賞したアブデラティフ・ケシシュ監督。彼が敬愛する小津安二郎や溝口健二、成瀬巳喜男といった日本の巨匠と同様、女性の神秘を描き出す現代の名匠だ。小津らは恋愛感情にも似たものを抱きながら、女優の魅力を引き出したといわれるが  。「確かにそうだろうね。でも彼らだけじゃない。たいていは女性の神秘に興味を持つ人

原節子さんを観ていると、そこに小津監督の顔が浮かんできますよね。

『もらとりあむタマ子』で前田敦子さん扮するタマ子は、「ダメだな、日本は」とかぶつくさ言いながら、日がな食べて寝て漫画ばかり読んでいる自堕落な女の子。しかし、父親に再婚話が持ち上がると、それまで気づかなかった父への思いに戸惑いを見せる。まるで原節子扮する紀子が、『晩春』で笠智衆扮する父に複雑な思いを抱くように。
 山下敦弘監督と、大学時代からコンビを組む脚本家の向井康介さんと一緒に、小津映画のことを