
マンガ構造
私が『進撃の巨人』の存在を知ったのは、第1巻が発売された頃だったと思います。なにより印象的だったのは、他人の悪夢を覗いているような怖さでした。壊れた建物の向こうから、巨人がこちらを見ている——この悪夢のリアリティこそ、本作が持つ普遍的な魅力だと思ったのです。
ただ諫山さんの絵には、何かと毀誉褒貶がついて回る。その原因の一つが、流麗ではない描線にあります。例えば11巻で超大型巨人が落下してくるシ
私が『進撃の巨人』の存在を知ったのは、第1巻が発売された頃だったと思います。なにより印象的だったのは、他人の悪夢を覗いているような怖さでした。壊れた建物の向こうから、巨人がこちらを見ている——この悪夢のリアリティこそ、本作が持つ普遍的な魅力だと思ったのです。
ただ諫山さんの絵には、何かと毀誉褒貶がついて回る。その原因の一つが、流麗ではない描線にあります。例えば11巻で超大型巨人が落下してくるシ
物語が始まると同時に、読者は一気に謎の真っただ中に放り込まれる。なぜ超大型巨人が現れたのか? 巨人たちの目的は何か? なぜ外の世界に興味を持つことはタブーなのか? エレンの父は何を知っていたのか?
登場するキャラクターたちと一緒に、読者や観客をいきなり謎の渦中へと投げ出すストーリーテリングは、もちろん以前から存在する手法だ。アルフレッド・ヒッチコック監督の『北北西に進路を取れ』、『鳥』('63
その日人類は思い出した。ヤツらに支配されていた恐怖を……。鳥籠の中に囚われていた屈辱を……。
『進撃の巨人』はそんな黙示録めいた言葉とともに始まり、超大型巨人の出現をショッキングに描き出す。かつて人類が築いた城壁は、最大15mほどの巨人の脅威から身を守るものにすぎなかった。ところが体長50m超という規格外のデカさを持つ超大型巨人は、やすやすと壁に穴を開け人類を急襲する。
50m級の巨大生物が
個性豊かなクリエイター6組に『進撃の巨人』インスパイアの自由なクリエイションをオーダー。名シーンや作品世界の現実化から、全く違う発想のもと生まれた二次創作まで。独自性のある“アート”が出揃った。ここでしか見られない、新たな作品世界を見よ。