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中武康法、関杏輔のデニムジャケットのマイ・ルール

誰にとっても定番だが中でも自分なりの価値を持つデニムジャケットラバー、〈マグニフ〉主宰・中武康法さんとフィッター・関杏輔さんに、惚れ込む一着を聞いた。それぞれの着こなしに欠かせないマイ・ルールにも迫る。

本記事も掲載されている、BRUTUS「GOOD STYLE for Mr. BRUTUS 春のスタンダード。2024S/S」は、好評発売中です。

photo: Go Tanabe / edit: Keiichiro Miyata / props: AWABEES

中武康法のマイ・ルール

着ると仕事が片づく⁉頑張り時のユニフォーム

知らず知らずのうちからワードローブの1軍に君臨していたと感じるくらい、デニムウェアは自分にとって絶対的なアイテムなんです。晴れの舞台以外は、毎日どこかしらデニム。「今日は働くぞ!」という頑張り時には、デニムジャケットを選ぶ。フォトジャーナリズムの先駆け的な雑誌『LIFE』で炭鉱作業員がGジャンを着て働く姿を見て、ワークウェアの原風景に触れた日から、私の中で袖を通すと気合が入る特別な存在になりました。

足元が革靴だと当時のリアルワーカーに寄りすぎてしまうと思うので、職場のある神田神保町にも馴染むよう、いつものローテクスニーカーと、マイ定番のパンツ丈で抜け感を出すようにしています。

At Last & Co
At Last & Co
約3年愛用する〈アットラスト〉のカバーオールは、自身のワードローブの中でも、ザッツ・アメリカンワークな一着。「タフな素材に包まれているという感じが着心地からも伝わる」と話す通り、まだハリのある表情のまま。肩のラインに沿うラグランスリーブのため、すぐ体に馴染み、動きやすい。

Coordinated Items

「オールスター ハイ」 オフホワイト「オーセンティック」
アメリカが背景だと、しっくりくる。
「オールスター ハイ」は、靴を脱がなくていい予定の日に。プレッピーの純度が高い装いなら、チェック柄。青いラインが入ったオフホワイトの「オーセンティック」はインディゴデニムと好相性。

関 杏輔のマイ・ルール

着込んでリメイクも駆使した、世界で一着のマイ・ヴィンテージ

人と違う格好をしたいと思うファッションの初期衝動は今も持ち続けています。だから、買った時から味わいのあるヴィンテージのデニムが昔から好き。自分らしさを追求した結果、さらにリメイクを施すことに行き着いて、着なくなったニットを解体して合体させたのが、このデニムジャケットです。どちらも昔からのマイ・スタンダードなので、体に自然と馴染む。

自分のサイズより2サイズ大きいXXLのトラッカージャケットがベースなので、肩に掛けたり、袖をまくったり、腰に巻いてみたり、色々な着方を試しています。そうやってチューニングを繰り返すことでしっくりきた着方が、自分なりのニュースタンダードになるのだと思います。

LEVI’S®(Repair)
LEVI’S®(Repair)
ベースは、90年代の〈リーバイス®〉のGジャン。「高額なヴィンテージよりも、手の届きやすいボロなユーズドくらいの味わいが好み」と、アンダー1万円で購入したもの。愛用のフィッシャーマンニットを解体して、ジャケットの後ろ身頃にリメイク。前から見ると正統派だが、後ろ姿はまるで別物。

Coordinated Items

〈メゾン マルジェラ〉〈クロケット&ジョーンズ×ユナイテッドアローズ〉〈クラークス〉
足元はヒールの高い革靴に限る。
ほっこりしすぎないように足元をドレスアップ。左から、スエットパンツなら〈クラークス〉。〈クロケット&ジョーンズ×ユナイテッドアローズ〉と〈メゾン マルジェラ〉はスラックスの日に。
左から、Kosuke Adam、芳賀規良、金子恵治、大貫達正、関 杏輔、中武康法。
左から、Kosuke Adam、芳賀規良、金子恵治、大貫達正、関 杏輔、中武康法。