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昔ながらの

行列嫌い(?)なソウルの人も 並ばずにはいられない名店。

しみじみ優しい、すいとんの滋味深さに開眼必至。

スジェビとはすいとんのことだが、日本人がイメージする団子状のそれとはちょっと違う。2〜3時間寝かせるという生地は、厚めのワンタンのようにつるつるモッチリとした食感。煮干しや昆布などでだしをとったスープとの相性も素晴らしく、アサリ、ニラ、タマネギなどいろんな具材の旨味が一つにまとまり、ため息の漏れる優しい味わい。昼どきは、観光客とビジネスマンで大行列

一本釣りのブランドアジで作る贅沢な一品。

アジフライといえばピンとした尾付きのあの三角形を思い浮かべるが、〈田はら〉のそれはちょっと違う。上品な二口サイズ。衣はサクサク、身はしっとりふくよか。大人のアジフライ、ハレの日のアジフライである。
 愛媛県三瓶町の奥地湾の「奥地アジ」というブランドアジを使用。豊後水道の潮流にあり、良質なエサが豊富な漁礁で育つ「奥地アジ」は、程よく脂がのっていて、かつ身の締まりが良いのが特徴。漁法は昔ながらの一本釣

峰茂茶行

台南で老舗の茶葉店といえば、〈林百貨〉でも扱う創業百五十余年、台湾最古の〈振發茶行〉が知られているが、1931年創業の〈峰茂茶行〉もなかなかの老舗だ。ここで何を買うべきかと言うと、老闆(店主)の蔣清木さん自身が龍眼の炭で火を入れた炭火焙煎茶。主に凍頂烏龍と鉄観音の2種類で、どちらも昔ながらの重焙煎。今や焙煎室を持ち自分で火を入れる茶行は少なく、台南ではここだけ。紙で器用に包んでくれるのも変わらぬ手

わざわざ行く価値のある、台中名物を食しに。

街中でしか味わえない名物もある。その一つが、太くてやわらかい大麺を、甘辛いオリジナルのソースで煮込んだ大麺羹。店の奥で小麦粉だけで打つ麺を、ニラと焦がしニンニクをアクセントに食べる。1960年頃から続くこの店の麺は、箸で持てないほどやわらかく、とろみをつけた醤油味のスープはたまらなくマイルドで優しい!
 もう一つは、台中の北西、清水名物のおこわ。もち米の上には角煮と台中地域特有の甘辛ソース。角煮と

珈琲のあ|若木信吾

 浜松に住んでた学生の頃から〈珈琲のあ〉は気になる存在でした。でも当時は“喫茶店は大人のスポット”というイメージがあって入れなかった。通いだしたのは同じ町内で本屋を始めてからです。本屋の下の階にも好きな喫茶店があるんだけど、あまりに近くてスタッフにすぐ捕まってしまう(笑)。それで少し歩いて〈珈琲のあ〉に行くようになりました。喫茶店では一人の時間を勝手気ままに過ごすより、マスターが作り上げた空間での

オフィス街に憩いをもたらす洋菓子店。|田村町 木村屋

 都営地下鉄内幸町駅のA2出口の目の前。新橋駅からなら外堀通りを真っすぐ虎ノ門方面へ4分ほど歩くと、慎ましいガラス張りの間口の〈田村町 木村屋〉がある。窓には、金文字で「創業明治33年」とある。入口横には昔ながらのタバコ屋のような小窓があり、ショーケースに焼き菓子が並んでいる。スマホ片手に地下鉄を駆け上がってきたサラリーマンが店先でマドレーヌをささっと買い、駆け足で信号を渡る。なるほど、こういう心

〈蔡菜食堂〉の 上海風茶碗蒸し

 上海出身のご主人・蔡才生さんが腕を振るう家常菜(家庭料理)の店。上海の昔ながらの家庭料理は決して食べ疲れせず、その味を慕い連日常連で賑わう。日替わりメニューが主体だが、常連がそっとリクエストするのがこの茶碗蒸し。「上海では子供のおやつや風邪をひいた時にもよく作ります。卵をたっぷりのスープで溶くのがポイントね」と蔡さん。卵2個に自家製鶏スープ1、水1の割合で加え、湯煎で蒸し上げる。味つけは少しの塩

Burro e Salvia

 イタリアの街角で見かける「パスティフィーチョ」とは、パスタ製作所兼デリのようなところ。その土地や店自慢のパスタを手作りし、その日のうちに売り切るという昔ながらの商売です。今や世界的な日常食ともいえるパスタですが、そんなパスティフィーチョは、イタリア国外では意外と見かけないもの。そこに目をつけたのがトリノ出身のガイア・エンリアさん。「本場のフレッシュパスタのおいしさを知ってほしい」と、ロンドンにオ

パンを焼くために買った素焼きの土器、焙烙。|日野明子

 これ、土器なんです。焙烙と呼ばれる素焼きの煎り鍋で、作っているのは茨城県真壁町にある横田製陶所の横田安さん。自ら田んぼの土を掘ってロクロで形成、薪窯で焼く、という昔ながらの手法で作られています。3年ほど前にその存在を知り、作家を訪問。この焙烙を見た時から、パン焼きに最適! と思い購入しました。
 いつも食べているドーム型のライ麦パンを2切れのせ、弱火でじわりじわりと焼きます。5分くらいかかるけれ