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1982年

スポーツという枠があり、人間の普遍は可視化された。

五輪3連覇、国際試合13年無敗、哲学とプーシキンを愛読。ロシアの偉大なレスラー、アレクサンドル・カレリンは、かつてそんなコメントを残したという。スポーツは肉体を酷使する。ゆえに言葉を求めるのだと。それを丁寧に紡いだ本は、時にスポーツの芯まで届く。読まないのは損だ。硬骨のスポーツライター、藤島大さんが案内する。


スポーツの名著。こう呼び得る一冊には、いくつかの前提があるという。まずは書き手の愛。

Born Athlete American: Simone Biles Ⅱ(2016)|ジネット・ムント

 ジネット・ムントは1982年生まれ、NY在住の画家です(この作品、合成写真に見えるかもしれませんが油絵ですよ〜)。描かれているのは、2016年リオ五輪の体操種目で4個の金メダルを獲得した、米国のシモーネ・バイルス選手。当時、弱冠19歳。身長143㎝と小柄な体から繰り出されるダイナミックな演技に釘づけになった人も多いのでは……と、それはさておき、写真や写実絵画を見るとなんだか違和感を覚えたり、実物

BUTTER TOAST(2016)|今井 麗

 1982年生まれの画家・今井麗が描く、食卓の風景や日常のなにげない場面を切り取った油絵は、どれもほっこりとして、ふと心が緩んでしまう魅力をもっています。写真家・植本一子の著書『かなわない』のカバー絵としても話題になった、バタートースト。シリーズ最新作は、お皿のブルーが爽やかな一枚です。そして何といっても山型食パンの存在感。この「山食」は角型食パンとは違い、蓋を使わずに焼かれることで独特の“山”が

逮捕事件までもポップ曲に昇華したジョージ・マイケル。

 昨年(2016年)は衝撃的な訃報が多い年でした。デヴィッド・ボウイ、モーリス・ホワイト、グレン・フライ、そして、たとえ80歳になってもピカソのように精力的に活動していると信じてやまなかった多作家プリンス……。マイケル・ジャクソンの「ロック・ウィズ・ユー」の作者で、尊敬するロッド・テンパートンの逝去もショックでした。そして12月25日。僕の最大のヒーロー、ジョージ・マイケルまでも……。
 しかし、

増田信吾+大坪克亘

 建物の外にファサードより大きな“窓”を付けた「躯体の窓」で注目を集める2人。施主はインテリアについてはっきりとイメージがあった。「それなら僕らがやるべきことは内部ではなくファサードだと思った」と2人は言う。住宅のリノベーション「リビングプール」では、施主自ら間取り図を描いていた。「いまの施主は平面図も読めるし、間取りのアプリもある。問題は自然といかにつながるか」。そこで彼らは基礎を床として設計し