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1977年

名古屋という名の小宇宙。文・吉川トリコ

昔から言われていることだが、名古屋の子どもは名古屋の外に出ない。「名古屋の外に出る」という発想そのものがすこんと抜け落ちている。私の出身高校はそこそこの進学校だったのだが、大半は地元の大学に進学し、中には東京や関西の大学に進学する子もいないでもなかったけれど何年かするとそのほとんどが戻ってきた。就職試験の際、名古屋の企業は地元出身の人間を優遇すると聞いたこともある。
 
まわりを見渡せば、地元で進

鷲尾友公 | アーティスト

クラブカルチャーからファインアートの世界まで縦横無尽に行き来するアーティストの鷲尾友公さん。名古屋城の東に位置する北区城東町のアトリエを訪れると、8月1日から開催される『あいちトリエンナーレ2019』のポスター制作の真っ最中。さまざまな角度や形で描かれた群衆の絵が壁一面に貼られている。
「パフォーミングアーツのキュレーター相馬千秋さんと話し合って。人が井戸端会議をしているアイデアを出したら、ぜひそ

答えは壁に描かれているよ。

どうしてそんなに名古屋へ行くのかと、この頃、よく訊かれるので、その理由について書こうと思う。
 
今年の3月31日、栄にある中日ビル(中部日本ビルディング)が老朽化対策と栄地区の再開発という理由で閉館した。2020年度までに解体を終え、2024年度完成予定の新しい中日ビルが建つ。閉館のニュースを聞いた時から、1階ロビーの天井に設置されたあの巨大なモザイク画は保存されるのだろうかと、ぼくは気がかりで

Suzuki Jimny Sierra

初代ジムニーの発売から7年後の1977年に誕生したシエラの祖先。軽自動車のジムニーから派生した普通車で、当時はジムニー8という車名でした。シエラというマスコットネームが登場するのは93年から。以来、25年以上続くスズキの世界戦略車です。今作は、ジムニーと同時に開発されており、エンジンは新開発の1.5ℓを採用しています。ねじり剛性は先代モデル比で1.5倍に高め、車幅もワイドになっており、よりクロスカ

この春の日本を彩る、美しく先鋭的な絵画たち。

 ダイナミックな筆致を宿すフランス人ペインター、ベルナール・フリズをご存じだろうか? 機械的な筆の動きを連想させるフリズの抽象画は、いずれもキャンバス上で起こる有機的な混乱を予見したうえで、綿密に練った描画プロセスを通じて生み出されるものである。ランダムに絵具を絞ったパレットからスタートする彼の制作行為は、現象に委ねるように展開されていく。

 そんな彼の個展『BERNARD FRIZE』が、3月

時計とスカーフ|マリオ・ミラベラ

ブルックス ブラザーズの元マスターテーラーを父に持つマリオ・ミラベラさん。1977年から同じブルックス ブラザーズに勤め、現在はマディソン本店に在籍。今年で勤続42年目となる。
「父はもともとイタリアで自身のショップを持ち、テーラーをしていた。50年代にはたくさんの人がスーツを着ていて、アメリカ人はヨーロッパのテーラーに仕立てを頼み、出来上がったものをアメリカに持ち帰っていた文化がある。そんな経緯

ライブ盤で鮮やかに蘇るボーカリスト大滝詠一の唯一無二の魅力。

大滝詠一初のライブ盤『NIAGARA CONCERT '83』は、1983年7月24日に西武球場で行われたライブをCD化したものである。65年の生涯において、数えるほどしかライブを開催しなかった氏のライブ音源とあって、発売されるや否や初回限定盤は品切れ店が続出した。というのも、限定盤には77年6月20日に渋谷公会堂で行われた『THE FIRST NIAGARA TOUR』を収録したドキュメンタリー

まばゆい青春劇から傑作ホラーのリメイクへ。| ルカ・グァダニーノ

前作『君の名前で僕を呼んで』では、アメリカからやってきた年上の青年に恋をする、イタリア人少年の葛藤をまばゆい陽光の中に描いた。ところが一変。ルカ・グァダニーノ監督の新作は、1977年に公開され、鮮烈な映像と音楽でいまだ多くの人を虜にしてやまないホラー『サスペリア』の再構築だ。彼もまた、その恐怖劇を幼少期に観て、虜になった一人だという。25年以上前、まだ映画監督を志す頃から温めていた念願の企画。完成