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パティシエ

Kinonedo|中里萌美

 〈きのね堂〉のお菓子がおいしいよ、と教えてくれたのはとある人気菓子店の店主。食べてみると油脂に頼らず、焼きのしっかりした、とても力強いクッキーだった。
 都内のマンションの一室で、〈きのね堂〉こと、中里萌美さんは一人黙々とお菓子を焼いている。食育が盛んな高校に通い、農業や自給自足に憧れたこともあったが、「自分が選んだ素材と向き合いながら、一人でお菓子を作るのが性に合っている」と、この形。
「何も

ISOO|磯尾直寿

 さながら、さすらいの菓子職人⁉ 東京・篠崎にある和菓子店でどら焼きを焼いていたこともあれば、仏・アルザス地方のタルトフランベ専門店で、アラミニット=出来たてのデザートを作っていたこともある。かと思えば練馬のイタリアンレストランでイタリア郷土菓子カンノーリを仕込む。何者かといえば六本木でイタリア菓子店〈パスティッチェリア イソオ〉を営んでいた磯尾直寿さんである。
 ケーキはいつも売り切れだったのに

LE CAFÉ DU BONBON|久保田由希

 生徒の手元に不審な⁉動きを見つけると、すかさず、“あ、そこ”と駆け寄る。当の生徒は“先生、厳しいんですよ”とこぼしつつ、楽しそうだ。久保田由希さんは、かつてブームを牽引した人気カフェなどでお菓子の開発や製造を担当していた。が、次第に「食べ手の顔が見えなくなって」始めたのが、教えること。自分のお菓子への反応が直に伝わるのがうれしくて、気がつけば14年。教室はすぐに満員になってしまうが、いまも少人数

foodremedies|長田佳子

 とある週末。長田佳子さんは栃木・黒磯にある〈1988 CAFE SHOZO〉で、お菓子を作っていた。アンティークの皿に盛り、台湾茶との組み合わせを提案する、出張コラボ喫茶の真っ最中。月末の水曜には自由が丘で〈カフェ リゼッタ〉のパティシエと恒例“喫茶水曜日”。さらに、熊本、大阪……。〈YAECA〉のフード部門を経て2年前に独立したばかりだが、出張喫茶や茶会に引っ張りだこだ。
「その土地へ行って、

Sunday Bake Shop

 店主の嶋崎かづこさんいわく「仕込みに1週間かかるから週に1度しか開けられなかった」初台名物〈サンデーベイクショップ〉。開店8年でスタッフも増え、営業日は3倍になったが、開店前からお客が並ぶ混雑ぶりは相変わらず。
 店の半分を占めるのは、お菓子屋さんには珍しいオープンキッチン。目の前で焼き上がるお菓子が買えるライブ感が、ここの最大の魅力だ。
「パティシエよりベイカーと呼ばれたい」という嶋崎さんが作

〈PATH〉のサバラン

 朝から夜まで自由に使えるスタイルと自家製の味で人気を博すレストラン〈PATH〉。仏・ロアンヌ(2017年ウッシュに移転)の3ツ星〈メゾン・トロワグロ〉でシェフパティシエを務めた後藤裕一さんが、開業時から力を入れているのが「ウィークリーベイク」と題する
期間限定の焼き菓子だ。「伝統の味の再構築はライフワーク」と、洋菓子の定番をグランメゾンで磨いた技術と今の東京だから生まれる感性で提案。チーズケーキ

Bread Ahead

 今ドーナッツブームのロンドンでも一番人気といえば、〈Bread Ahead〉。創設者の一人でパティシエのジャスティン・ジェラトリーが、かつて〈St.John〉にいた頃に考案した、伝説のドーナッツだ。中心に穴のない丸いドーナッツの中にはカスタード、塩キャラメル、チョコレートなどのクリームがたっぷり。香り高くふっくらした生地と甘味を抑えたクリームの組み合わせは絶妙で、カロリーなど考えずむしゃぶりつき

Doughnut Dolly

「今ではこの界隈の“ドラッグディーラー”と呼ばれているわ!」と陽気に笑うのは、〈ドーナツ・ドリー〉のオーナー、ハンナ・ホフマン。彼女が作るドーナツはまさにこの評判で実証済み。あまりのおいしさにやみつきとなり、リピーターが日々急増中だ。材料は全てローカル&オーガニック。オーダーすると、目の前で生地にカスタムメイドのポンプでジャムやクリームを注入。一口頬張ると、甘さと油分が控えめの生地にフレッシュなバ

Libertable

 フォアグラ、黒トリュフに、シェーブルチーズ、ポルチーニ……。これ、何かといえば、ケーキの素材! 皿盛りのデザートを主役にしたフレンチレストラン、青山〈リベルターブル〉で食通を唸らせたパティシエの森田一頼さん。今度は赤坂に移ってケーキショップをオープン。しかも、驚くような素材を使ったフランス菓子を次々誕生させている。その理由は「菓子の世界はちょっと保守的。料理の世界と同じように、新しい食材をどんど

L’E‘CLAIR DE GE‘NIE

 エクレアは、フランス人が一番好きなパティスリー。その伝統的なショコラとキャラメル味の定番品を、高級パティスリーの域に引き上げたこの店が話題沸騰中だ。
 コンセプター兼オーナーは、パティシエのクリストフ・アダン氏。フォションのシェフ時代に、それまでになかったフレーバーのエクレアを打ち出し、フォションの看板商品にまで昇華させたのは有名な話。そんな氏の菓子作りの基本は、徹底した食材選びだ。基本的にフラ