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2018年

増島拓哉 ●小説家|街と言葉で加速する 若き大阪ノワール作家。

 大阪府立の名門高、北野高校文芸部で小説を書き始め、19歳で仕上げた初長編『闇夜の底で踊れ』では、パチンコ中毒で風俗嬢におぼれる元極道を主人公に。これがとてもリアルな描写の連続で、並み居る作家や書評家をうならせた。それでいて「パチンコ経験は今もありません。YouTubeで見て、調べて。極道の世界は北野武映画とかを参考に」と言うのだから、まさに新世代。暴力描写も辞さないノワールな世界を描きつつ、テン

【古い町、昭和町】昭和初期からの長屋が残る町を、新しい世代が引き継ぐ。

 昭和4(1929)年、エリアの区画整理をする際に、当時の新しい元号だった昭和がつけられた昭和町。今、この近辺の動きが気になる。というのも、あべのハルカスを望むエリアでも大きな再開発が……ではなく逆。ここ数年、昭和町を中心に北は文の里から南は田辺まで徒歩15分圏内にある長屋や古民家を引き継ぐ新世代が続々と集まってきているから。いったいなぜ? その先駆けで、今から8年前に昭和初期築の長屋をリノベーシ

有楽町 純廣東料理〈慶楽〉の「上湯炒飯」

 以前、僕がニッポン放送でレギュラーを持っていた時に、収録の前によく腹ごしらえしに行った中華料理屋がある。1950(昭和25)年創業、有楽町の純廣東料理〈慶楽〉。2018年12月、68年の歴史に幕を閉じた。池波正太郎や9代目林家正蔵も通ったという当店の押しも押されもせぬ看板メニューといえば、なんといっても「上湯炒飯」。洋食屋がチキンライスに使うような型で抜かれた炒飯に、上品なスープが注がれた一皿。

脚本家・渡辺あやが描く、「壁」の中と外。

 朝ドラの名作『カーネーション』や映画『ジョゼと虎と魚たち』などの脚本で知られる渡辺あや。昨年末に放映された『ストレンジャー〜上海の芥川龍之介〜』は「4K/8K」のスケールの大きな作品だったが、一方で渡辺はここ数年、NHK京都制作のローカルな作品にも携わってきた。

「昨年『センス・オブ・ワンダー』というドキュメンタリーを作ったときにも考えたことなんですが、自分が京都という場所が特別だなと思ってい

【話題の展示】個展『NEOrient』┃44万人超が虜。写真家RKの作品の魅力とは?

 2月末現在、インスタグラムのフォロワーが44万人を超える、人気ストリートフォトグラファーがRK。彼の写真がこれほど多くの人を魅了するのは、まだ誰も見たことのない光景を、写真として見せているからだろう。それは絶景とも違う彼独自の世界観。奥行きのあるダイナミックな構図とパンフォーカス気味に撮影された被写界深度の深い写真は、手前にも奥にも絶妙な塩梅でピントが合い、色彩や陰影のコントラストを強調すること

スタンドニューサンカク

〈大衆酒場ひらやま〉で10年修業し、「名物スタッフ」だった“ケンケン”こと店主・ヒロカワケンさんが2018年に開店。北浜で磨いたケンケンのトークがこの店の魅力。〈ひらやま〉のレシピを継承しながらも、白和えには細かく刻んだピータンを忍ばせるなど、技アリのアテが40種以上。東大阪のスパイスカレー店〈ヤドカリ食堂〉のカレーはシメにも飲み直しのアテにも。

初対面で録音された、息ぴったりの共演曲。

あのプリンスが生前に「雪も溶かす声」と、その声を絶賛し、寵愛を受けたキャンディス・スプリングス。彼女が自身のルーツとなった女性シンガーの曲を取り上げたカバー集を発表する。伝説的なニーナ・シモンやエラ・フィッツジェラルド、シャーデーからダイアナ・クラールまで。主にジャズシンガーの楽曲が多くを占める。また、現在レーベルメイトであるノラ・ジョーンズやデヴィッド・サンボーンなど、参加メンバーも豪華絢爛。そ