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進撃の巨人

テーマ〈続々々・テレビ〉

やつい 1980年代にテレビの仕事を多くしていたときは、楽しかったですか?
宮沢 俺はまあ会議でウケればいいと思っていたから。成立するわけがないっていうアイデアを次々と出していく。例えば、日韓対抗綱引き。日本海を挟んで綱引きをするっていう(笑)。
やつい 絶対できないじゃないですか!(笑)
宮沢 海に落ちた方が負けっていう(笑)。
やつい 実現すること考えていたら言わないですもんね。
宮沢 10月

建築と土木

 3重の壁によって囲まれた人間の居住エリアと、その防衛の拠点として壁から突出して築かれた都市の形態は、近世ヨーロッパにおける戦争都市を思い起こさせます。ルネサンス時代は文化の発達によって知られていますが、オスマン帝国の伸張や都市国家同士の対立、民衆蜂起、疫病など、戦乱の絶えなかった時代でもあります。だから都市の形は戦争のエコノミーによって規定され、当時の建築家たちが残した都市のスケッチは、その輪郭

政治

 昨年日本語訳が出た『独裁者のためのハンドブック』(*1)は、一般読者向けにわかりやすそうな体裁をとってはいますが、第一線の研究者が実証的な根拠に基づいて書いた本です。多くの国が民主化され、独裁者の存在は身近なものではなくなりましたが、民主主義も多数派による支配の一つの形態といえます。今日の日本社会は『進撃の巨人』で描かれる王政と一見違うようですが、望む職業に就く機会や、新しいリスクに晒される度合

キャラクター

 二次創作に火をつけたこと。『進撃の巨人』(以下進撃)が爆発的な人気を博したのは、もちろん物語の面白さもあるが、それだけでは説明できない。二次創作を生む仕組みから考えてみたいと思う。
 漫画界は、コミケを代表とする同人誌という確固たる世界があり、そこから偉大な才能が出てくるサイクルが確立されている。コミケは、原作から派生した新しい物語、いわば〝学説〟を戦わせる場。そこで新しい読者を得られれば、男女

生物

 もし巨人が「生物」として存在し得るなら、それはどのような構造や生態を持っているのか。物語の舞台を、1Gの重力や酸素がある地球型惑星と仮定して考えてみました。結論から先に言うと、巨人の多くはヒト型をしており、一見哺乳類のように思われますが、実は爬虫類、もしくはその一部である鳥類だと考えた方が合理的な特徴が数多く見られます。
 現在、陸棲の脊椎動物で最も大きいのはゾウですが、体重は7~8トンくらいが

美術

 この作品を美術の立場から見る時、フランシスコ・デ・ゴヤのイメージを重ねないわけにはいきません。すなわち「巨人」と「わが子を食らうサトゥルヌス」ですが、「巨人」については数年前、弟子の作だと結論されました。「わが子を食らうサトゥルヌス」にも別人説が出ていますが、ゴヤ作という前提で話すとすると、このサトゥルヌスと、諫山さんが描く巨人には共通して惹かれる部分がある。それが食人です。人間の根源的なタブー

マンガ構造

 私が『進撃の巨人』の存在を知ったのは、第1巻が発売された頃だったと思います。なにより印象的だったのは、他人の悪夢を覗いているような怖さでした。壊れた建物の向こうから、巨人がこちらを見ている——この悪夢のリアリティこそ、本作が持つ普遍的な魅力だと思ったのです。
 ただ諫山さんの絵には、何かと毀誉褒貶がついて回る。その原因の一つが、流麗ではない描線にあります。例えば11巻で超大型巨人が落下してくるシ

ディストピア

 まるで悪夢のような未来像を描くのがディストピア作品だが、ある時期から未来は文明が発展した姿ではなく、退行し荒廃した姿をさらすことが多くなった。その先駆けが『マッドマックス2』('81)だろう。舞台は世界大戦によって文明が崩壊し、石油の涸渇した世界。凶悪な暴走族たちは死闘を繰り広げ、石油をめぐる争奪戦を展開する。モヒカン刈りに革の鎧、バイク姿で荒野を疾走するマッチョな男たちのイメージは、その後の映