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デンマーク

FINN JUHL NV-45 いま、なぜフィン・ユールか?

後ろ姿の美しい椅子は良くデザインされた椅子である。とするならば、フィン・ユールの《No.45》は、その最たるものといえるだろう。ユール自身も座っていたその椅子を撮影するため、デンマークの彼の自邸までやってきた。ついぞ座る夢は叶わなかったが、光が差し込む窓辺に向かって置いた《No.45》、その後ろ姿の美しいこと。これを見るためにもう一つ椅子が要るんじゃないかと思ったほど、というのも冗談とも言えず、「

Møller Chair #78|ミューラーチェア #78 (1962)

角木や貫を使わず、背も脚も無垢の木を削り出して作られている。ゆえに、一見華奢に見えるがとても頑丈だ。デンマークのデザイナー、ニールス・O・ミューラーの作で、ベースは機械を使って合理的に作られるが、ディテールの仕上げはすべて職人の手仕事。フレームのどの部分に手が触れても丸みがあって心地よく、工芸品のような温かみが感じられる。座面はファブリック。

Egg Hanging Chair + Stand|エッグハンギングチェア+スタンド (1957)

家具からテキスタイルまで手がけたデンマークのデザイナー、ナナ・ディッツェルとその夫ヨルゲンが1957年に発表。サーリネンのチューリップチェアなど脚の目立たない椅子が好まれたこの時代に、「ラタンで軽く作って、上から吊るす」という逆転の発想で生み出された。未来的なデザインもこの時代特有。東京・大森のヤマカワラタンにて、すべて手作業で作られている。

PK22 (1956)

ポール・ケアホルムは20世紀半ばに活躍したデンマークのデザイナーで、当時の北欧では珍しく木よりも金属を使った家具で有名。ただし、デザインを学ぶ前は木工の修業も積み、木や籐を取り入れた家具にも優れたものがあった。PK22は、フラットな金属の棒材をさまざまに操ってフレームを構成した代表作。座面に籐を張ったタイプは凜として涼しげで、素材を重視した彼の美学を反映している。

Planner Group Chair|プランナー・グループ・チェア (1950頃)

Yチェアと並ぶウェグナーの代表作は、多くの工程で職人の手仕事が欠かせない。控えめで優美なフォルム、一分の隙もないジョイント、補強材の見当たらない難易度の高い構造。あらゆる点でデンマークの木の椅子の至宝と呼ぶにふさわしい。発表当初はJ・F・ケネディが大統領選の討論会で座り知名度を高めたが、近年はオバマ大統領とメドベージェフ大統領(当時)の会談に登場して話題になった。

Chieftain Chair|チーフテンチェア (1949)

デンマークの超絶的な木工技術の結晶であり、木の椅子の一つの究極。大胆なフォルムの背もたれ、アーム、座面が宙に浮かんだように見えるのが特徴。発表時は規律正しい北欧家具の世界で賛否両論を巻き起こした。抽象彫刻にも触発されたユールの造形感覚は、当時の名匠、ニールス・ヴォッダーの技術力によって日の目を見たという。長年にわたり幻の一脚だったが、現在は復刻されている。

OW149 Colonial Chair|OW149 コロニアルチェア (1949)

オーレ・ヴァンシャーの世界的な知名度はあまり高くないが、コーア・クリントに師事した後に多くの建築や家具を手がけ、デンマーク王立芸術アカデミーの家具科の教授も継いだ。木の椅子のデザインへの理解と、古びることのない美意識は、この一脚からも十分に伝わる。特に後脚から伸びて座面の横へと流れるパーツの曲線には、機能美をはるかに超えた深みが。チェリー材の色合いもよく合う。