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バランス感覚

調和を大切に、静かなトーンでまとめる。

「壁があると、つい隙間を埋めたくなってしまう」
と話すのは〈クラスカギャラリー&ショップ ドー〉のディレクター大熊健郎さん。築50年近い今のヴィンテージマンションに引っ越してきたのは3年ほど前。以前住んでいた家はかなりコンパクトだったが、狭いながらもアートを壁いっぱいに飾り、まるで“敷き詰められた”ような空間はお気に入りだったという。その壁をほぼ再現したのが現在。リビングの一面にある、大きな壁には

衝動と客観性を持つハイブリッドな芸術家。|小袋成彬

 音楽業界で裏方として活動していた小袋成彬のソロデビュー。世に出るべくして出た才能という形容がぴったりに思えるが、彼は自らを「生粋の音楽家ではない」と評する。「僕は孤独な芸術家に憧れているタイプの社会人」。聞けば、高校野球に熱中した時代や、就職活動の経験もあるという。冷静で客観的な経営者という立場でいることも、自らの内面を音楽という形で表現することもできるバランス感覚の持ち主。相反するように思える

若木信吾

「僕がお金の話? それは若い写真家の夢を奪わないように気をつけないとな(笑)」と、苦笑いの若木信吾さん。何をご謙遜。映画製作や出版社設立、書店経営など、写真家として第一線で活躍する傍ら新しいプロジェクトを立ち上げてきた若木さんは、クリエイターの憧れの的だ。
 2010年、故郷の浜松に開店した〈BOOKS AND PRINTS〉は、書店と喫茶、イベントスペースが融合した空間。普通の書店ではお目にかか

自然史的に解剖されたプラダの世界。

 プラダの歴史を徹底解剖  そんなコンセプトで、この5月、ロンドンの百貨店ハロッズ・ナイツブリッジで『プラダスフィア』と題された展示が開催された。これまでファッションのみならず、アート、建築、映画を通じてそのビジョンを表現してきたミウッチャ・プラダの世界を、さながら自然史博物館のごとく「解剖」し展示するという大がかりな試みに挑戦したのは、約15年にわたりプラダの仕事をしてきたグラフィックデザイナー

映画的な興奮と社会的な視点を兼ね備えた作品作りを目指して。

 2014年、地球は氷河期を迎え、人々は永久機関を持つ列車“スノーピアサー”に乗り込んだ。それから17年後。生き残った全人類を乗せた列車の中で、虐げられた貧困層による反乱が起きる。ポン・ジュノ監督による『スノーピアサー』は、閉ざされた列車という空間の内部で、人類が生き残りを懸けて凄惨な闘いを繰り広げる、まあ大袈裟に聞こえるかもしれないけど、数年に1本あるかどうかの優れたSFアクションだ。来日中のポ