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アンネの日記

新劇からアングラへ行く人なんて、いませんでしたよ。| 吉行和子(第三回/全四回)

 お客さんの前で演技をしたことがなかったのに、あれが若さなんでしょうね。劇団で一番偉い方がおじさん役で出ていて、私がその人をからかうシーンがあったんです。普段は目も見られないぐらい苦手なのに、舞台では平気でできちゃう。それに一番びっくりしました。「へー、芝居って面白いな」って。主役の彼女が1週間ほどで治ったので私はお役御免だと思っていたら、「2人で交互に続けなさい」。そこから突然始まっちゃったんで

アンネ役が風邪を引いて、突然、呼び出されたんです。| 吉行和子(第二回/全四回)

 子供の頃から喘息持ちだったので、楽しみといえば少女小説を読むことだけ。この後どうなっちゃうんだろうと登場人物をイメージして遊んでいました。そして中学3年で初めて劇団民藝の舞台を観た時に、「私が想像していたものが目の前で繰り広げられている」と思ったんです。本をめくらなくても次々に話が進んでいく。そういう世界があることを知ったんですね。それまでは喘息の発作があるので将来の希望なんて持てなかった。で