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マイルスを聴けば大丈夫。|谷川賢作

 僕は現在、さまざまな形で音楽に携わっていますが、その根っこにはジャズがあります。ジャズの勉強をしてプロになり、30代の初めまではジャズバーで歌の伴奏をしていましたから。“健やかなる時も病める時も”じゃないけれど(笑)、どんな時にもジャズを聴いてきましたし、いまだに聴く頻度はとても高い。
 だから「ジャズを聴きたいのだけれど、どこから手をつけたらいいのかわからない」という話を聞くと、すごくもったい

全部“無駄”でも大丈夫。|嶋 浩一郎

 僕の言う“無駄”は、“無意味なもの”とは少し違うんです。すぐに役立つわけじゃないけれど、いつか役に立つかもしれないもの。小説の主人公の料理のレシピとか、SFの中の極限を生き抜くサバイバル術とか。単純に印象的だった表現もそう。だから小ネタとかトリビアというわけでもない。本を読んでいて心が動いたすべてといえばいいのかな。
 ネット検索が定着した今は、結論に直線的に辿り着くことがよしとされていますよね

師匠を持てば大丈夫。|水道橋博士

 園子温が彼の著書『非道に生きる』で言ってることでもあるんだけれど、人間、何歳になっても人生のロールモデルが必要なんです。20代のときは30〜40代の、50代になれば60〜70代の、自分の人生が引っ張られる誰かの人生のストーリーを追いかけていたい。“師匠を持つ”という概念に近いと思う。そういう意味で、僕はずっと(ビート)たけしさんを追いかけているんです。それは、ビートたけしのストーリーを記すためで

帰る場所があるから大丈夫。|松浦弥太郎

 手塚治虫、谷岡ヤスジ、赤塚不二夫。この3人は天才です。彼らの1000ページの本を読むことは、3人の天才と付き合うっていうことだと思うんです。それぞれに哲学があって、手塚治虫ならば“生きる”こと、谷岡ヤスジならば“気持ちイイ”、赤塚不二夫は、やっぱり“バカ”っていうことかな。その3つの哲学は、松浦弥太郎という人間を構成する基本要素になっているかもしれません。「生きる」「気持ちイイ」「バカ」と言うと

ハミ出してたって大丈夫。|川田十夢

 星新一さんの本は、小学校に入る前から絵本代わりに読んでました。1000話超のショートショートがあり、その3割以上の挿画を真鍋博さんが手がけたといわれます。話が短くて言葉も限られるし喚起できるイメージも少ない。それでいて結末をほのめかす絵を描いちゃダメ。特徴は線の細さですが、緻密かつ具体的じゃない絵って超難しいですよ!
 それでも読み手の想像力をハミ出させる絵なんです。このページ(新潮文庫版/写真

恋愛や結婚に何度失敗したって大丈夫。|高橋源一郎 × 橋本麻里

橋本麻里 どれから行きますか?
高橋源一郎 まずは『死の棘』から。島尾敏雄さんの私小説ということになりますが、僕が思うに世界文学史上最もひどい私小説。そしてもし日本の小説を何か1冊だけ紹介しろと言われたらこれを挙げる、という作品でもあります。
橋本 そもそも彼は戦争中、特攻隊の隊長として奄美の加計呂麻島に派遣され、島長の娘と恋に落ちるんだよね。それが妻のミホさん。
高橋 島の人にとって島尾さんは、

就職しなくても大丈夫。|戌井昭人

「就職しないっていうことは、面白い生き方をしたいってことだと思う」と語る、戌井昭人さん。偉大で、どうしようもない3人の作家について、自身の滅々とした体験を交えつつ、朗らかに語ってくれた。

 
実は30歳を過ぎて、俺どうしたらいいんだろうって、就職活動をしたことがある。夏なのに冬物のスーツを着て、汗まみれで。平和島の潰れた喫茶店みたいなところで面接して、受かっていたら今ごろ何をしていたんだろう?