キーワード

恋愛

描かれるのは、少年から大人への瑞々しい成長と心の機微。

 日本では、ティーンエイジャーを描いた映画といえば、「壁ドン」や「顎クイ」といった言葉に象徴される「胸キュン恋愛映画」が主流だが、アメリカでは、そうした少年少女が、ある出来事や事件を通して、子供から大人へと成長するイニシエーション(通過儀礼)を描いたものが多い。日本ではまだ馴染みがないが、そうした映画をアメリカでは「カミング・オブ・エイジ・ムービー」と呼んでいる。『スタンド・バイ・ミー』や『あの頃

町屋良平『ぼくはきっとやさしい』の岳文

名前:町屋良平『ぼくはきっとやさしい』の岳文

症状:ぼくは黙った。こんなに物事に相対する感覚、感想がおなじなのだから、つたわっているとおもっていた。口にださずとも。

備考:学生時代、全力で相対したピュアな恋と友情。無気力系男子が親や兄弟をも巻き込んで成長していく姿を描くキラキラとした青春恋愛小説。河出書房新社/1,400円。

かさぶたの着こなし

前号にて「慰謝料の代わりに膝小僧など持って行かれ、棒になってしまった足でコツコツと夜の酒場まで歩く」的なことを書いた。その原稿の締切を終えた昼さがり、昔暮らした家でも見に行こうと思い立って電車に乗って出かけた。空っぽの犬小屋、閉じたシャッター、窓からピアノ。かつての家周辺や街を歩き、しばし昔の思い出に浸ってみたり。そして帰りの駅のホーム、エスカレーターにて私は何十年かぶりに激しく転んで膝を強打して

浴室の音楽

こんな毎日でさえ
暮らしと呼ぶことが 
ようやく許されるようになり
あまり美しいとは言えないが
わたしはわたしの暮らしの肩を
やさしく抱き寄せ
何か良いところを見つけてやろうと
朝から晩までの時間をなぞってみる
目覚まし時計のいらない月曜の朝
カーテンの隙間から差し込む光
真昼間のバスタブで聞く音楽
運がいいと買えるパン屋
少しの仕事 少しの昼寝 
散歩ついでの一杯のお酒
そして
よくないことだと

夜あるく木

「慰謝料よこしなさいよ」という段になり
「残念ながら金などないのだよ」というと
「そんなことはとっくに知ってらあ」と
最初の人は耳を引っぺがして持っていき
つぎの人はまぶたを
つぎの人は膝小僧を持っていった

それからというもの
私の名を呼ぶ声は聞こえず
どんな夜にも目を伏せることができず
棒になってしまった足を引きずりながら
緑道沿いの散歩に出るのだが
犬を連れた健康的な恋人たちを目にして
いま

「チーム男子」という楽園。

「女性は関係性に萌える」といわれる。ちょっとしたキャラクター同士のやりとりから、本編に描かれるか、もしくはそれ以上の関係性を読み取り、そこにドラマを感じる。性愛を伴わない複数男性の近しい関係を示す「ブロマンス」という言葉も知られているが、それもまた女性の“萌え”の対象となるのである。そしてそこに恋愛感情を読み込んで、BL的な楽しみ方をする人もいる。キャラクターを単体で好きになることが多い男性(これ