
日本代表の粋も忘れないでほしい。
日本のマニュファクチュールも独創性では、スイスやドイツに決してひけをとらない。さらに今年の新作ではそれぞれに、日本的で粋な表現が外装に盛り込まれた。メカニズムでも個性を競い、メイド・イン・ジャパンの素晴らしさを世界に発信する。
日本のマニュファクチュールも独創性では、スイスやドイツに決してひけをとらない。さらに今年の新作ではそれぞれに、日本的で粋な表現が外装に盛り込まれた。メカニズムでも個性を競い、メイド・イン・ジャパンの素晴らしさを世界に発信する。
質実剛健──そんなドイツの工業製品のイメージは、時計製作にも当てはまる。
ムーブメントは精密さが追求され高精度。外装もシンプルで、視認性を優先する。
と同時に昔ながらの手仕事を継承し、美観にも優れるドイツ時計は、マニアもうなる。
manufacture──直訳すれば「製造」の意だが、時計界ではさらに特別な意味を持つ。自社で設計・製造した、オリジナルムーブメントを有する特別なブランドを指すのだ。その中から8社をピックアップ。どの新作も、機械式時計としての真の価値を持つ。
時計専業ではないメゾンの時計を、見た目だけなどと決して思うことなかれ。トレンド性とファッションで培ったデザイン力に加え、機械式ムーブメントにも注力する。さらに外装面でも優れた職人技術が隅々に行き渡り、実は価格も手が届く。まさに買うべき時計なのだ。
自社製ムーブメントを持つ、イタリア唯一のマニュファクチュール。その本社は、ティレニア海に浮かぶエルバ島にある。ミラノにもファクトリーを置き、ケースも自社製造。フォージドカーボンも自社で加工する技術を持ち、今年は複雑な形状の3ホーン・ラグも一体成型することに成功した。裏蓋はチタン製。超高額モデルにしかなかった新素材の組み合わせも〈ロックマン〉なら、現実的だ。
ジュエリーでもその名を轟かすが、精巧な自社製ムーブメントを持つマニュファクチュールである。その新作は、マイクロローター採用の薄型自動巻きを、開閉式の裏蓋を持つオフィサーケースに潜めた。そのケースも自社製で、開け閉めの際のカッチリ感は、さすがの出来映えである。蓋の内側に、繁栄の象徴である蜜蜂をエングレービング。ダイヤルもハニカムパターンのギョーシェが彩る。
角型時計の永遠のアイコン「レベルソ」が知られるが、実は丸型も秀でる。ほぼすべてのパーツを自社製造する名門マニュファクチュールが1992年に世に送り出した「マスター・コントロール」は、1,000時間にも及ぶ厳格なテストを課し、高精度と耐久性とを保証した歴史を持つ。その伝統を受け継ぐ新作は、グッとヴィンテージな装いである。二重のサークルの内側から時、外側から分・秒の各インデックスが伸びるデザインは、4