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ニューヨーク

初代編集長・木滑良久が語る、BRUTUS創刊前夜。

「90歳だからね。もうみんな忘れちゃったよ」
約束の時間よりずいぶん早くに、待ち合わせ場所にカーディガン姿の軽快なカジュアル・スタイルで颯爽と現れた木滑良久さんは、そう言ってニカッと微笑んだ。『週刊平凡』『平凡パンチ』『アンアン』『ポパイ』、そして『ブルータス』まで数々の編集長を歴任し、多くの雑誌の創刊に関わった「伝説」の編集者。この世界に長くいる先人たちが最上の尊敬を込めて呼ぶ「キナさん」。本誌

【今夏公開】グラフィックデザイナー大島依提亜さんと語り合うウディ・アレン映画の魅力。

ウディ・アレンの映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』が今夏日本で公開される。ティモシー・シャラメやエル・ファニング、セレーナ・ゴメスら若手がこぞって出演するも、#MeToo運動の高まりとともにアレンの過去の疑惑が再燃、アメリカでは公開中止となってしまった“話題作”。なんだかめんどうな映画だなと思うかもしれないが、本作はニューヨークを舞台としたラブコメディ。ウディ節全開の楽しい作品なのだ。という

Pollock and Tureen Arranged by Mr. And Mrs. Burton Tremaine, Connecticut (1984)| ルイーズ・ローラー

 ニューヨーク在住の写真家、ルイーズ・ローラー(1947〜)。ほかの作家が手がけた作品の美術館での展示風景や、アートコレクターの邸宅内に飾られている作品を撮影し、それをそのまま彼女自身の“作品”にしてしまうアーティストです。上の写真では、スープ壺と、その上に展示されているジャクソン・ポロック(絵の具を缶から直接ペッペッと飛ばした作品が有名)の抽象画の一部が見えます。「こんなの写メでも撮れるじゃん」

ヤンキー・スタジアムは、ガーシュウィンとともに。

 1979年製作のウディ・アレンの傑作、『マンハッタン』の冒頭には、ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」が大音量で流れる。これは映画館でもう一度観たい。

 モノクロームで綴られるこの映画、オープニングではニューヨークの名所やささやかな日常が描かれるのだが、なんといっても、ヤンキー・スタジアムの上空からの夜景が圧倒的に素晴らしい。このあと、何度かこの球場を訪れることになるが、いまもって私に

どうしてみんなグレン・グールド好き?

「グールドって難しくて、迂闊に好きって言っちゃうと余計なものがいろいろ付いてくるんですよ、スノッブとかオシャレとかね」

 グールドは好きですかという直球の質問に、原摩利彦はおかしそうに、でもちょっと困ったような顔で答えた。たしかにグールドという記号はある時期イケメン男子のアクセサリーのようだったし、一般名詞化した「グールド好き」は原のような音楽家ならなおのこと、口にしづらいに違いない。それでも原

Ghost in Labor (2020)|ロビン・フランチェスカ・ウィリアムズ

 幽霊を見たこともなけりゃ、分娩中のゴーストなんてとんでもない! ……のですが、はて、この絵の中の幽霊、何を産み落とさんとしているのでしょう。余裕の笑みとともに体をふわりと宙に浮かせてお産に挑んでいるのが、奇妙ながらも羨ましいところではありますが。さて、ロビン・フランチェスカ・ウィリアムズは1984年生まれ、ニューヨークを拠点に活動する画家です。彼女が描く人物は、どれもひと並びに同じ笑顔を浮かべて

【5月2日全国順次公開予定】ナレなし、音楽なし。テーマなし。想田和弘「観察映画」最新作は老夫婦の日常。

台本やナレーションがないドキュメンタリー映画=観察映画で知られる想田和弘の新作『精神0』。患者一人一人の孤独と対峙し続けてきた82歳の精神科医・山本昌知に10年ぶりにカメラを向けた本作について、旧知の仲でもあるライター、武田砂鉄が訊いた。

Family (2019)|ポリーナ・バースカヤ

 ポリーナ・バースカヤは、1984年ウクライナに生まれ、幼少期にニューヨークへ移り住んだ画家です。彼女が描くほとんどの作品は、実物そっくりの本人が登場する自画像です。上の絵で描かれているのは、家族団欒の一場面。皆が母親の話に耳を傾けるなか、ポリーナはマグカップを片手にこちらを見つめています。どこを、何を、見ているのでしょう? ありますよね、こういうこと。その場がとりわけ楽しいわけでなくとも、決して