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渡邊

三日月宗近、時を超えて。

どこか遠く、高い場所から世界を眺めているような、不思議な立ち位置のキャラクターとして、その刀は「再生」した。三日月宗近――刀としての名称は《太刀 銘 三条(名物三日月宗近)》。平安時代中期、山城(京都)鍛冶の祖とされる三条派の刀工、宗近によって打たれた太刀で、焼き入れを施した、鎬造(*1)の湾刀として日本刀が完成した、ちょうどその時期の作と考えられる。東京国立博物館の所蔵にかかる刀剣の中でも、屈指

魅惑の肉料理。

個性豊かな「モツ」の魅力に開眼するトラットリア。

ハムカツならぬ、牛の“ハツ”カツを食べられるのが、こちら。店名にある“トリッペリア”とは「モツ料理専門店」のこと。それだけに内臓料理にはひときわ力が入っていて、オーナーシェフの山内美弥さんは、信頼関係を築いた業者さんから、国産の新鮮なものだけを仕入れる。トリッパのトマト煮やモツのフリットは、丁寧な下処理を施すことでそれぞれの部位の魅力が際立ってい

Bnei Coffee (東京/阿佐ヶ谷)

店主の渡邊絵美子さんは、三田にある〈Daphne〉で飲んだネルドリップコーヒーに衝撃を受け、阿佐ヶ谷でオーダーローストの豆を販売する〈豆処ローストハウス ブラウンチップ〉で焙煎を学んだ。店内に置かれた焙煎機は、1度に250gしか焼けないため、営業前後や定休日に焙煎。変色した壁がフル稼働ぶりを物語っている。使い手の好みに合わせて焙煎度合いを細かく変えられるのが小型の強み。ネルに合う中深煎り~深煎りが

是枝監督総合監修、日本社会の問題点を見つめたオムニバス映画が公開。

香港で社会現象となったオムニバス映画『十年』。10年後の香港を舞台に自国が抱える問題点を取り上げた作品は、中国では国営メディアに批判され上映禁止になるほどの話題を呼んだ。新たに日本、タイ、台湾の国際共同プロジェクトが始動。日本版のエグゼクティブ・プロデューサーには是枝裕和監督を迎え、10年後の日本を舞台に多様な問題意識を出発点に5人の映画監督が創作した。その一人、『美しい国』石川慶監督に話を伺った

〈VACCA ROSSA〉の「ピィチ」

 この料理と出会ったのはシェフの渡邊雅之さんが現在のお店、赤坂〈VACCA ROSSA〉の前に開いていたリストランテで。素材に真摯に向き合い作り出されるシェフの料理に感銘を受け、その頃は週平均2回、多い時は4回も行っていました。気に入ると徹底して通い詰める性質で、ある寿司店に1年間週1回通ったこともあるほど。「ピィチ」はシェフの修業していた地域に伝わる“おばあちゃんのレシピ”的な素朴な味。渡邊さん

五木田智央のモノクローム絵画が生まれる場。|五木田智央

 美術館では初めての個展を開いている五木田智央。展示する作品を美術館へと送り出したスタジオには画材やピアノやレコードや、そのほかいろんなものが置かれている。個展は新作を含むミッドキャリア・レトロスペクティブ。約10年前、イラストレーター、デザイナーから画家に転向した時期からあとの作品が中心だ。「10年前のこともつい最近のことのように思えるけど、この個展のための新作を描いていて初めて味わった感覚もあ