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新井

今度やるときは勝たなきゃなぁ。戦後、親父はそう言ったんだ。|山本晋也(第一回/全四回)

 生まれは千代田区の神田。昔は神田区って言ったらしいけど。妹が3人いてね。ちょうど小学校に入ったのが戦争に負けた頃。東京の街は空襲の連続。入学する寸前にB29が低空で数百機ぐらいやってきて、空が見えないんだよ。パイロットの顔まで見えた。あの時だけは怖くてね。親父が庭先に造った防空壕に入って、妹たちの前では怖がっちゃいけないと歯を食いしばっても、歯の奥がカタカタカタと鳴るの。東京大空襲は3月10日。

新しいのに懐かしい、集い賑わい、設えの秘密。

店先に赤ちょうちんが灯り、コの字カウンターでは、日本の高度成長期を支えるモーレツ社員が、杯片手にその日の疲れを癒やす……。昭和から長く続いている大衆酒場は、こんなイメージだった。
 
平成末期には、そうした古くからの酒場巡りが、男女や世代を問わずブームに。吉田類さんに代表される酒場の達人が薦める店は、たちまち人気店の仲間入り。未知の世界を覗く冒険的な要素があるし、一歩足を踏み入れてみれば気のおけな

人類の今と未来を知るには どんな本を読めばいい?│選者 吉川浩満

人工知能などの進化がめざましい昨今、SF的な未来の到来に不安を覚える人も多いのでは? 『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』は、著者の吉川浩満さんが新旧文理、膨大な関連書物を読み解き、ポストヒューマン時代について考察した「人間の今と未来について考える」入門書。“歩く本棚”こと吉川さんに、今読むべきテクノロジー系書籍について聞いた。

 ポストヒューマン時代というと、多くの方が未来のことだと思う

シャツの襟が隠れたら整え時。|新井慶太

これだけ髭を蓄えると、たまにパスタが入り込んでいて大変なんです(笑)。自分でできることにも限界があるので、元町・中華街の〈BARNEYS BARBER'S SHOP by KAMISORI CLUB 148〉を利用しています。通う頻度は、月に1度。髭がVゾーンにかかる頃が、お手入れのサインです。外枠のシルエットを整えて、唇にかかる口髭をカットし、頬をシェービング。仕上げに髭専用のソープとトニックで

代々木公園|新井文彦

 キノコや粘菌類を被写体とする新井さんにとって、普段の活動場所は大自然の中。公園へ向かうのは上京した折で、やはりお目当ては“隠花植物”だ。「キノコやコケ、地衣類などを探しては観察してニヤニヤ。時には樹木の間を歩きながら、仕事や原稿の構想を練ることも。公園は、日常と非日常の接点といえる存在。大木に囲まれていると五感がちょっと鋭くなり、日頃は眠っている野性の本能を呼び起こすことができると嬉しくなる」。

新井エンゲイ

 初めてサボテンに熱狂したのは高校時代。「生物の先生が窓辺で育てていたのを見た時、この植物はなんだ! と衝撃を受けてね」と、園主の新井喜久夫さん。50歳を過ぎた頃にサボテン愛が再燃し、自宅の庭先や屋上にハウスを建て、小売業も始めたそう。
「うちは趣味の人を相手にしているから、そんなに高価なものは置いてないよ。手に入りやすいものを大切に育て、生長したら株を分けて、こぢんまりやっています。気に入った鉢

ある加害者家族の物語は、果たして悲劇か、喜劇か?

第57回岸田國士戯曲賞受賞の作・演出家にして俳優、赤堀雅秋による監督2作目『葛城事件』は自身の舞台を映画化したもの。抑圧的な父と無差別殺傷の罪で死刑囚となった次男の関係を軸に、ある加害者家族の姿を見つめた衝撃作だ。次男に扮した舞台版と異なり、映画では温厚な長男を演じた新井浩文と赤堀が、この濃密な人間ドラマを語る。